群馬県にある「葉留日野山荘」

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この現代社会、少子化や市町村合併により必然的に増える廃校。文部科学省では2010年より、「〜未来につなごう〜『みんなの廃校』プロジェクト」なるものを立ち上げ、廃校の施設有効活用への支援などを行っているという。

一方で、レトロなものへの回帰や歴史的価値といった視点から廃墟が一大ブームとなり、近年では長崎県の軍艦島(参照記事: 「軍艦島」に上陸!)をはじめ、観光ツアーの一部に廃墟が組み込まれていることは記憶に新しい。増え続ける廃校に関してもこれらブームの例外に漏れず、インターネットを中心に着実に広がりをみせている。

今回訪れた廃校の宿「葉留日野山荘」も、40年程前に廃校となった群馬県の「旧水上町立藤原小学校湯の小屋分校」を再利用したという、廃校活用の金字塔ともいえよう施設だ。

「廃校」というと真っ先に怪談めいたものを想像してしまいがちだが、施設内はかつて子ども達が親しんだ学び舎を感じさせるせるノスタルジーを残しつつ、廊下は歩きやすく上等な布が敷かれていたり、かつての職員室は無数の本と暖炉が心地いい談話室に生まれ変わっていたり、トイレは洋式のもの(ウォシュレット付)があったりと、かなり快適な宿。

夏はラフティングや登山、冬はスキーといったレジャーの起点として長年親しまれてきたが、なんと今年からスキー客の激減により冬期(12月〜4月中)は休業するという。昨今叫ばれている若者の車離れ・レジャー離れは、こんなところにも影響をしているのかと思うと少し寂しい気持ちになったが、春の営業再開を心待ちにするとしよう。

ところで、この宿があるのは群馬県。以前コネタで群馬県について触れた際(参照記事: 元祖ゆるキャラを再評価 「ぐんまちゃん」の魅力)、とにかく温泉が豊富という印象があったが、こちらの宿ももちろん温泉付き。しかも、自然の木々を眺めながらの清潔感溢れる内風呂は、弱アルカリ性低張性高温泉(源泉かけ流し)のとても気持ちのいいお湯。それもそのはず、ここはあの「日本秘湯を守る会」の会員宿というから、そのクオリティはお墨付き、温泉好きからも一目置かれる宿なのだ。
(ノグチ)