マッコリメーカーのマスコットキャラが、既に酔っ払っているような顔でお出迎え。

写真拡大 (全3枚)

韓国伝統酒・マッコリの最先端を確認するため、韓国の「マッコリエキスポ」を訪れた。
初のマッコリ博覧会として2009年にスタートし、4回目となる今年度の催しは、2012年11月6日から4日間、ソウル市江南区のコエックスにて開催された。100社250ブースが登場し、各種マッコリの試飲販売が行われ、マッコリに良く合う伝統料理や器なども紹介されるというこの行事に、変わったマッコリがたくさん試飲できれば楽しいのでないか、という軽い気持ちで筆者は足を運んだのだった。

国際食品産業展「フードウィーク」が同時開催となるマッコリエキスポは、会場規模も半端なく大きい(会場総面積1万坪以上)。業者限定日に訪れたため、混雑を避けることができたが、人々は鋭い目で商品を探し、会場は静かな熱気に包まれている。韓国人だけでなく、中国人や西洋人のバイヤーの姿も見られる。
多彩な試食を繰り返しながら、やっとマッコリエキスポの会場となるCホールに到着したものの、マッコリはすぐには現れない。行く道でキムチや二日酔い防止ドリンクをいただき、果ては高級料理カンジャンケジャン(カニの醤油漬け)の試食を横目で見ながら(ここはものすごい人だかりで、その恩恵にあずかることはできなかった)、出口付近にやっと現れたのがマッコリエリア。マッコリボトルのゆるいマスコットが、ゆらゆらと歩いている。

ここに集まった数十ほどのブースで、マッコリの試飲ができる模様。最初はそれぞれに立ち寄り全種類を1杯ずついただいていたのだが、これでは体がもたない(マッコリブースが出口近くに固まっているのもうなずける)。そこで変わったマッコリを選んで、試飲をさせてもらうことに。
いただいたのは、柚子マッコリ、梨マッコリ、梅マッコリ、朝鮮人参マッコリ、さつまいもマッコリ、なつめマッコリ、など。正直、酔っぱらって味の微妙な違いは忘れてしまったが、どれもこれも美味しい!

そんな中でも印象深いマッコリを発見。スポーツドリンクを連想させるデザインの、その名も「スポーツマッコリ」だ。通常は6〜8%あるアルコール成分を3%に抑えたこの商品。100%マッコリで、スポーツドリンクが入っているわけではないとのことだが、運動後に飲みたくなりそうな、スポーツドリンクを連想させる軽さと爽やかさで、マッコリの新しい可能性を見た気がした。お酒の発酵臭も感じない。
メーカーの発表によると、マッコリエキスポに合わせて発表されたこの商品「me3」は、独自の発酵過程により通常のマッコリよりアミノ酸含有量が多く、疲労回復にもいいのだとか。登山後にマッコリを飲む習慣がある、韓国の登山ファンにはちょうどいいかもしれない。まさに大人のスポーツドリンクといえる。

また、日本語で書かれたラベルのマッコリを扱うブースが多数。お話を聞いてみたところあるメーカーでは、日本用マッコリはちょっと甘めにつくっているとのこと。甘くない本場のマッコリが飲みたければ、やはり韓国に行ってみるのがいいのかもしれない。
中国語ラベル、英語ラベルもいくつかあったが、やはり目に付くのは日本語ラベルのもので、日本でのマッコリ人気を再確認した。

入場料は当日券で1万ウォン(約720円、フードウィークも入場可能)。マッコリはもともと安いので、マッコリだけなら同額でたっぷり飲めると考えられるが、新しい商品を少しずつ味わい、お酒の酔いに任せ、ブースに立つ地元企業のおじちゃんとコミュニケーションをとるのは非常に楽しいものだった。
事務局によると、バイヤーだけでなく一般人の家族連れも多く参加し、92845人が来場するにぎわいとなった(フードウィーク含む)。次のマッコリエキスポは来年11月に予定されているとのことなので、ぜひともチェックしたいものである。
(清水2000)