PL(偏光)フィルターを使用して撮った紅葉の写真(上)と未使用の写真(下)。

写真拡大 (全5枚)

紅葉、赤や黄色の美しい景色を我々に提供してくれる季節。思わず写真に残したくなるわけだが、せっかくの紅葉、写真にキレイにおさめたい。そこで、カメラ関連の機器を扱うハクバさんに、お勧めアイテムを聞いてみた。

以前にも「デジカメにレンズフィルターは必要か?」で紹介したことがある「偏光フィルター」を活用すればいいという。カメラのレンズにねじ込み、フィルターを手で回転させながら使用する。

「紅葉の撮影の際にPL(偏光)フィルターを使用することで余計な反射光を取り除き、空の青みを濃くしたり、被写体から余計な反射光を取り除くことで、色彩コントラストが際立つなどの効果を得ることができます」
「水面に浮かぶ落ち葉などを撮影するときにも、反射している余計な光をカットできるので、水面の反射光が軽減され鮮やかな色彩を再現することが可能です」
さらに、色彩コントラストを強調すると、赤みが鮮やかになるという。

実際にやってみた。
筆者が撮影した時期はまだ色づきはじめたばかりで緑が目立ったが、それでも鮮やかに染まった紅葉もチラホラ見られた。当然ながら日陰や雨天ではなく、晴天で光があたっている紅葉を被写体として選ぶ。で、レンズに装着したフィルターをクルクル回しながら、葉に反射する光を散らす最適なポジションをみつける。「ここだ!」
白く光っていた紅葉が見事に赤く染まった。背景の白い光も軽減されて確かに鮮やかな色彩になった。

つぎは、青空を背景に撮ってみよう。
これ、正直まだ緑がところどころ混じってあまりキレイな色ではなかったが、フィルターを通して見ると、なかなかそれなりにキレイになるから凄い。濃い空色と黄色い葉が絶妙にマッチして爽やかな写真が撮れた。水面に落ちた葉にも効果があるというので、早速試した。フィルターなしだと紅葉の色が淡かったのが、なるほどフィルターありだと色が濃くコントラストが強く写った。

ハクバさんお勧めのやり方もなかなかよかったが、もうひとつおまけにやってみたことがある。それは銀塩写真時代によく使われたカラーフィルターだ。デジタルの時代になって色を修正することが容易になって、あまり使われなくなったようだが、使えばちゃんと効果は期待できる。

まず、逆光の状態の紅葉をレッドのカラーフィルターを使って撮影してみると、赤いところはより赤く、緑のところは黄色に写る。フィルターなしの写真と比べて見ると断然カラーフィルター使用の写真のほうが紅葉写真らしい美しさがある。今度は順光の状態で同様のフィルターを試してみると、葉がより赤くなっただけでなく、青空の色が薄紫色になった。これはこれでおもしろい。

これからの紅葉シーズン、カメラと一緒にフィルターを持っていって、想い出に残るきれいな色彩を残そう!
(羽石竜示)