少し変わった記録を取り上げよう。あることで、ロンドン五輪の日本選手団は、戦う前から史上最高を記録している。

それは何か?五輪選手団に占める役員の比率である。

オリンピック夏季大会の選手団の推移

1912年のストックホルム大会以来、日本は夏季五輪に22回選手団を送り込んでいる。ストックホルムでは、選手2人に役員2人。さぞや心細かっただろう。

以後、毎回選手団は大きくなっていったがバルセロナ五輪までは、選手団に占める役員数の比率は3割程度だった。

しかし1996年のアトランタ五輪以降、随行する役員の数、比率は回を追って増加し、2008年に40%を超え、ロンドンでは過去最高の43.4%になった。

選手団自体は北京よりも少し小さくなったのだが、役員数は12人しか減らなかった。

冬季五輪では、選手数より役員数が多い状態が2006年トリノ大会から続いているが、夏季五輪も間もなく逆転現象が起きそうである。

韓国は今回、374人の選手団を送り込むが、選手数は245人、役員は129人。韓国でも相当多いと思うが、日本はその数値をはるかに上回っている。

役員数が多くなり、サポート体制が厚くなってメダル数が増えたというのなら、話は分かるが数字ではその事実はない。過保護にしすぎて選手がひ弱になっているのか、あるいは何の役にも立っていないか、どちらかだ。

日本では、スポーツ強化費用が、JOCや傘下のスポーツ団体に交付されているが、これが強化費に十分に使われることなく、役員給与になっているという批判が以前からある。 五輪選手団に含まれる分厚い役員層をみると、これは五輪利権の享受者の集まりなのではないかとも思えてくる。

アスリートの中には、スポンサードが得られなくてバイトをしながら五輪の出場権を得た選手も何人もいる。そういう選手に金を使わずに、試合に出ない連中の五輪観戦、応援ツアーを組むのだ。怒りが込み上げてくる。
「なでしこジャパン」のイレブンを、エコノミーでロンドンに行かせるくらいなら、どうでもいい年寄りは行くのを止めさせればよかったのだ。

日本の体育会系は、実力ではなく、先輩後輩の上下関係が幅を利かせる傾向にある。引退してもその関係は変わらない。そういう人間が、役員としてスポーツ団体にいるために、不正経理やトラブルが絶えないのだ。

開会式に晴れやかな顔で登場する大選手団の4割以上が試合に出ないという事実は、日本が旧態依然とした利権構造を維持していることの象徴のように思える。
今回も日本は、世界一の大役員団をロンドンに送り込む。恥ずかしいことだ。

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