シアトルがイチローと高額の複数年契約を結ぶなら”吐き気がする”とシアトルのラジオ番組で発言したかつてのチームメイト、ジェイ・ビューナーは感情を隠そうとする努力を何もしなかった。イチローを肯定、または否定するのは、シアトルでは大きな議論だ。それは2年前にデレク・ジータがフリーエージェントになった時とほとんど同じで、キャリアで最悪のシーズンを過ごしたあと、ジータは3年51百万ドルの契約をニューヨーク・ヤンキースと結んだ。

伝説的なキャリアを持つ選手の個人的な感情と、扇情的な捏造によってできる手に負えない心配とのバランスを取ることは、マリナーズが細心の注意を払わなくてはならない。答えは簡単ではない。

そしてキャリアを一つのチームで過ごす選手を高く評価するというバックと同じ考えを持つ誰かは、これから数ヶ月間、イチローにいろいろな可能性を考慮する時間を与える。シアトルは、彼の未来に過去と同じくらいの報酬を与える可能性がある。シアトルは彼が受け入れることができないと解っていながら、現在の18百万ドルから大幅にカットした金額で、彼にオファーする可能性がある。彼らは彼を過小評価することで、関係を解消しようと脅す可能性がある。彼はフリーエージェントになり、どこかで残り471本になった3,000安打を追求する可能性がある。彼は日本に帰る可能性がある。そこには、数えきれないほどのシナリオがある。このシーズンオフに起こる全てのことは、イチローの美しい心のなかにより洞察力を与える。

「僕が言えるのは、この12年間でたくさんの事を学んだと信じているということ」イチローは言った。「もしこの12年間、僕が日本にいて、ここに来ていなかったら、僕は今みたいな、こんな事は感じなかっただろうし、その苦しみを味わうこともなかっただろうから」

彼はどんな苦しみなのか語ろうとしなかった。イチローは常に、彼らが興味をもつような何かをぶら下げている。彼は自宅で時々、オニールのサインボールを眺めながら思い出す。野球には、苦しみよりも楽しいことのほうが多いと。

イチローは、もう新しくないのかもしれない。彼の魅力は、その一部を失った。しかしそのミステリアスな部分は、すぐにはなくならないだろう。これまででもっとも純粋な打者のそれは、日毎に大きくなっていく。

参考記事:Ichiro draws from lessons learned from friend Buck O'Neil as he ponders future with Mariners Jeff Passan YAHOO! SPORTS
http://sports.yahoo.com/news/ichiro-draws-from-lessons-learned-from-friend-buck-o-neil-as-he-ponders-future-with-mariners.html