「2000年以上前から“東海”呼称を使用してきた」という韓国の主張について

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先日モナコで開かれた国際水路機関(IHO)総会で、「日本海」単独表記の維持が決まった。韓国は日本海という呼称に「東海」と併記するよう要求したが、結局、結論は次回の総会まで持ち越しとなった。

「日本海」は国際的に認められた名称であり、日本海が「日本海」以外の名称で呼ばれることはあり得ないことだ。だが、韓国は「東海」呼称の正当性を繰り返し国際社会に訴え、韓国の各メディアも「朝鮮半島では2000年以上も前から“東海”呼称を使ってきた」などと報じている。

韓国が「日本海」という呼称をなんとか変更させようと躍起になっている背景には、おそらく過去の植民地支配が関係している。その気持ちは何となく理解できるのだが、「2000年間“東海”呼称を使ってきた」という主張にはどうしても違和感を覚えてしまう。今から2000年前というと西暦12年? いや、2000年以上前と言っているので紀元前を指しているのだろうか?

韓国政府が運営する海外文化弘報院には、次のように書いてあった。
「多くの歴史書を見てもわかるように東海という表記は2000年以上使われてきた」。「東海という表記は『三国史記』で使われており、また広開土大王碑にも登場する。このため東海という呼称は朝鮮半島(韓半島)の東側という意味というよりユーラシア大陸の東側という意味であると言える」

どうやら「2000年間」というのは、“朝鮮半島で”使われてきたというよりも、中国やユーラシア大陸でそう呼ばれてきたということのようだ。その証拠として、『三国史記』や土大王碑に記載されていたとしている。

だが、自民党の新藤義孝衆院議員は4月20日、メディアとのインタビューの中で、「韓国の主張には全く根拠がない」と反論している。新藤氏によると、「三国史記」の「東海」は「渤海」を意味し、広開土王碑の「東海賈」は墓守が住んだ地域の名称なのだという。

また外務省も、ホームページで日本海呼称問題について「韓国は過去2000年間『東海』が使用され続けているという主張の根拠を示していません」と説明し、韓国側の主張を一蹴している。

韓国のメディアは繰り返し「2000年以上“東海”呼称を使ってきた」とステレオタイプに報じているが、実は歴史的根拠なんて全くないのかもしれない。歴史の文献を都合良く理解し、「東海」呼称を主張しているのであれば、日本としてはとても迷惑な話である。

参照:朝鮮日報
参照:SBS
参照:Korea.net : The official website of the Republic of Korea

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