三池崇史監督<br />©2012『愛と誠』製作委員会
 原作・梶原一騎、作画・ながやす巧の名作コミックを、30年余の時を経て三池崇史監督が映画化。妻夫木聡演じる超不良・太賀誠に、ヒロイン武井咲演じる余りに純粋なお嬢様・早乙女愛が常軌を逸した献身を捧げる、今までに見たことのない純愛エンタテインメント『愛と誠』。

 6月16日の公開に先駆けて、先日18日に三池崇史監督、妻夫木聡、斎藤工(石清水弘 役)によって行われたトークショーでは、三池監督より「昨年、カンヌ国際映画祭に『一命』が出品されたんですが、この作品は無理!でも、いい映画なんです。」との発言も飛び出していたが、監督の予想を裏切り、同作が「第65回カンヌ国際映画祭」にて公式選出された。

 『愛と誠』は、オープニング・クロージング上映に並ぶ、ミッドナイトスクリーニング部門にて上映される。昨年の『一命』に続き、三池監督にとって2年連続のカンヌ選出となった。

 三池監督は「いやもうびっくりですよね! 目一杯作っているので選んでいただくのはとても嬉しいのです。あまりにも予期していなかったので自分の中では事件だなと、カンヌ大丈夫なのか(笑)という衝撃はあります。梶原一騎VSカンヌというのは良いですよね。確かに“日本人”にしか作れない映画を作ったと思っています。コンペでは無く純粋に映画を楽しもうぜってところに呼んでいただいたので、カンヌのお客さまに楽しいひと時を過ごして頂ければ良いなと思っています。(ミッドナイトスクリーング上映は)点数関係なく招待され、カンヌが絶対的にこれをみなさんに見せますと上映されるものなので本当に嬉しいです。」と述べている。

 主演の妻夫木聡は「日本の方は原作もあり、なじみも深いので色々な見方ができると思いますが、確実に面白いことは間違いないと思うんですよ。それを原作も知らないカンヌで世界の方々が見てどのような受け止め方をするのか、気になってしょうがない、とにかく感想が聞きたいです。予備知識が無い中選んでいただいたことは、自分たちがやって来たことが間違いじゃなかったという喜びがあります。日本で面白いことやろうぜって映画を作っている人たちがいるということを少しでも届けられたら嬉しいです。」とコメント。

 武井咲演じる早乙女愛に一方的な思いを寄せ、「君のためなら死ねる―!」と叫ぶメガネ優等生・岩清水役を演じる斎藤工は「僕は昔の日本映画をよくみるのですが、戦前のマキノ映画とかオペレッタ映画が多い気がするんですよね。侍が急にジャズを歌ったりする作品もあるので、日本には急に歌が出てくる映画の素地というのがあるんだと思います。原作、監督、音楽など日本の才能が結集した日本代表作品のメンバーに自分がいられてすごく嬉しかったです! それがカンヌでどう響くのか気になります。僕ら以上に三池監督の作品は世界が判断するべきだと思うので、正しい評価を海外にしてもらうべき映画なんじゃないかなと。すごく楽しみですし、気に入ってもらえる勝因がたくさんあると思います。歌謡曲という日本の文化もアピールできて日本は元気だぞという象徴にもなる作品だと思っています。」と述べている。

映画『愛と誠』公式サイト

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