日本HP、B2サイズ対応のデジタル印刷機など商用印刷機9機種
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2008年以降、Indigoによる印刷ページは年間20%以上伸びており、とくにアジアパシフィックで大きく伸びている。
デジタル印刷は、印刷物そのものが付加価値を持つので、デジタル印刷を通して、印刷だけでなくトータルのバリューチェーンを効率化するしくみをお客様や印刷会社さんとともに構築し、利益が出るしくみを作り上げていきたい」と述べた。
EPMとは、黒をCMYの3色合成によって表現することにより、通常の4色印刷時と比較して印刷速度を最大33%向上させる機能。
B2サイズ(750×530mm)に対応するHP Indigoは、「HP Indigo 10000/20000/30000」の3機種で、これらの機種は同社の第4世代機に位置づけられる。
B2サイズは、従来機のA3ノビに比べ2.57倍の印刷領域があり、日本HP イメージング・プリンティング事業統括 デジタルプレスビジネス本部 市場開発部 部長 小池亮介氏は、「B2サイズの対応により、世の中の98%をB2サイズで刷ることができる。
これにより、従来では印刷できなかった領域に入っていくことができる。
A3ノビは余白が出て無駄もあったが、B2対応で4倍効率化できる」と、B2対応のメリットを語った。
「Indigo 10000」は、B2サイズ枚葉機で、1時間にフルカラーで3,450枚、EPMでは4,600枚の印刷が可能。
最大7色のカラー印刷や両面印刷に対応する。
「Indigo 20000」は、軟包装材印刷用のロール機で、最小で10ミクロンから最大250ミクロンまでの厚さのフィルムに対応し、印刷サイズは736×1,100mmに対応する。
「Indigo 30000」は、紙器の印刷用に設計された枚葉機で、最大で600ミクロンの厚さの板紙に7色印刷が可能で、原反とインキの定着を高めるために必要なプライミング工程をインラインに組み込む「インラインプライミングユニット」をサポートする。
いずれも価格は未定で、Indigo 10000は2013年初頭、HP Indigo 20000/30000は2013年後半に出荷が開始される予定だ。
小池氏は、Indigo 10000を2億円を切る価格で提供する予定だと語った。
EPMの標準搭載により、従来モデルと比較して印刷速度を33%高速化したのは、「HP Indigo 5600/7600/W7250」の3機種。
「HP Indigo 5500」の後継機となる「Indigo 5600」は、EPMで90ページ/分のカラー印刷が可能になったほか、合成紙の印刷用に「ワンショット印刷モード」を採用することで、テスリン紙、PVC(ポリビニルクロライド)、PET(ポリエチレンテレフタラート)、PC(ポリカーボネート)、およびその他の合成紙に特殊用途の印刷物を作成できる。
また、紫外線を当てると発光する「インビジブルインキ」を搭載することで高付加価値アプリケーションに対応する。
「HP Indigo 7500」の後継機である「Indigo 7600」は、EPMで最速160ページ/分のカラー印刷を実現する枚葉機で、業界で最速の両面印刷を実現する。
また、新たに、リアルタイムの「損紙自動検出機能」(オートマチックアラートエージェント)、隆起印刷やエンボス加工等の高付加価値印刷を可能にする特殊な機能をオンプレスで搭載している。
「Indigo W7250」は、「HP Indigo W7200の後継機となり、EPMの採用により、320ページ/分のカラー印刷、また960ページ/分のモノクロ印刷を実現する大量印刷向けのロール機で、1カ月で最大1,000万ページ/A4サイズのフルカラー印刷に対応できる耐久性を持つ。
「HP Indigo 5500」は4,620万円で3月27日より発売、HP Indigo 7600/HP Indigo W7250は 5月上旬発売予定で、価格は未定となっている。
HPインクジェットデジタル輪転機では、「HP T230/T360/T410 Color Inkjet Web Press」の3機種を発表。
新たなインクジェットプリントヘッドテクノロジーおよびナノテクノロジー顔料インクを開発し、高速化を図っている。
日本HP イメージング・プリンティング事業統括 デジタルプレスビジネス本部 本部長の石川則夫氏は、「これまで、HPではDrupaで発表したものを1年以内に製品化してきた。
2012のDrupaで発表する第4世代機も1年以内に製品化して、市場に出していく。
これが、我々のコミットメントだ。
日本ではまだまだオフセット機が強いが、この流れをどう変えるか我々のテーマで、デジタル印刷機とオフセット機の融合という新たな市場を作っていきたい」と述べた。