男だからわかる!? 親子関係を語った高良健吾と沖田修一監督

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 役所広司と小栗旬が共演し、無骨なきこりと気弱な映画監督の触れ合いを描いた映画『キツツキと雨』で、役所広司の息子を演じた高良健吾が、沖田修一監督と共に、父と息子の関係について語った。

 今回、高良が演じたのは、役所広司演じる克彦の息子、浩一。母を亡くし、二人きりで暮らす浩一と克彦は、思っていることもなかなか素直に言えず、浩一は父と実に不器用な関係を保っている。

 その親子関係に高良は、「僕も父に対しては照れてしまって、感謝しているのに、目を見て『ありがとう』と言えない。浩一は父親にはたかれたときに『痛ぇな』と言うんじゃなくて、その場から去りたいタイプ。あれは僕が思う父親との接し方です。男って難しいです」と自分自身を投影していたことを明かす。すると沖田監督も男同士について「独特なものがあるよね」と同意。

 劇中、克彦は村を訪れた映画の撮影隊と知り合い、息子と同年齢で同じ名前の幸一に、浩一の姿を重ねて擬似親子ともいえる奇妙な関係を深めていく。沖田監督は「息子と同じ名前の“幸一”に影響を受けて、“浩一”との付き合い方が変わっていく。でもこれはある意味、克彦の浮気の話だと思うんですよね。将棋を指すシーンなんて、まさに浮気のごまかし方」と解説。すると、高良も「ああ、なるほど」と笑いながらも深く納得し、理解を示した。

 そんな高良と沖田監督が組むのはこれで3本目。高良は、連続テレビ小説「おひさま」の撮影中だったというが、沖田監督のオファーに応えてスケジュールを調整し、本作に参加した。そうまでして参加したいと思わせる沖田監督の魅力を、「監督は一緒に悩んで、そのまま受け止めてくれる。だからやりやすいんです」と語る高良。

 それに対し、沖田監督は「高良くんはどんどん変わっていく。次の現場でどういう顔を見せてくれるのかがすごく楽しみなんですよね。『どうなるかわからないけど二人でやってみるか』と、また一から始めたい」と返し、二人の間は、固い信頼で結ばれていることが垣間見えた。これからどんな作品でどんな姿を見せてくれるのか、期待せずにはいられない。(写真・文:小島弥央)

映画『キツツキと雨』は2月11日より全国公開

スタイリスト:澤田石和寛 衣装協力:McQ