トヨタ自動車は22日、中国の江蘇省常熟市東南経済開発区に昨年設立した「トヨタ自動車研究開発センター(中国)有限会社(以下、TMEC)」において、同日、定礎式を実施したと発表した。

 式典には、中央政府、省政府、市政府からの来賓、合弁パートナーの中国第一汽車集団公司(以下、一汽集団)の金毅副総経理、広州汽車集団股份有限公司(以下、広汽集団)の張房有董事長らの来賓及び、トヨタからは豊田章男社長、内山田竹志副社長、新美篤志副社長らが出席した。

 定礎式では、TMECの新社長にトヨタの山科忠専務役員が内定したことが発表された。トヨタの豊田社長は、「中国という広大な国土と多様なクルマの使われ方、これからの省エネ・新エネ車の技術などを理解し、TMECで“中国のためのクルマづくり”を行っていける人材として、トヨタの技術部門のトップクラスが必要と判断した。山科が欧州で体得したクルマ文化と、またモータースポーツで培った『FUN TO DRIVE』の精神は、これからの中国の自動車産業の発展にも大きく役立つと期待している」と語った。

 TMECは、昨年11月17日に設立され、今年4月から業務を開始している。建物やテストコースなどの主要設備は2013年の完成を目指す。

 

 また、TMECは、中国における「最先端要素技術」の開発拠点として、特に環境技術の中国での普及を目指していく。そのために、「省エネルギー・新エネルギー車技術センター」を設立し、合弁パートナー、サプライヤー、他メーカーなど、広く外部と環境技術に関する交流を図っていく。また、基礎技術開発にも取り組み、大学等、外部機構との共同研究も積極的に行っていく。

 さらに、TMECには中国産ハイブリッドの開発部隊を設置し、ハイブリッドコンポーネントの現地化を計画している。2015年前後を目標として、中国産ハイブリッドユニットを搭載した車両を、合弁会社の一汽トヨタ、広汽トヨタで生産・販売していく計画。

 「トヨタは、TMEC及び2つの合弁会社R&Dセンターとの『3極トライアングル』体制で、中国のお客様により一層喜んでいただけるクルマづくりに取り組んでいく」と同社はコメントしている。