ジオン軍から学ぶ“人々の記憶に残る”ブログ運営術

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今回はかん吉さんのブログ『わかったブログ』からご寄稿いただきました。

ジオン軍から学ぶ“人々の記憶に残る”ブログ運営術
あえて言おう!「カス」であると! ジオン軍のギレン総帥の演説の一説です。この言葉を思い出すたびに、自分に言われているような気がして、身が引き締まります。「あえて言おう! お前のブログは“カス”であると!」とwww

●『ガンダム』は、実は“ジオン軍”のお話
『機動戦士ガンダムガンダム)』をよく知らない人に、ちょっとだけ解説を。『ガンダム』は、1980年代に一世を風靡(ふうび)したロボットアニメです。私は『ガンダム』が大好きです。『ガンダム』談義になれば、おそらく一晩中話せる自信があります。

アムロという少年が連邦軍のモビルスーツ“ガンダム”を操縦して、幾多の試練を潜り抜けながら、“ニュータイプ”という、モビルスーツのパイロット適正能力に開花して、連邦軍への勝利へ貢献したというお話です。ところが、番組が終了した後に、われわれの間で語り継がれている話のほとんどが、主役の連邦軍ではなく、敵役の“ジオン軍”にまつわる話であるという、奇妙なことがおきています。

・「13機のリックドムが3分もたないのか」
・「足なんて飾りですよ、お偉いさんにはそれがわからんのです」
・「認めたくないものだな。若さゆえの過ちを」

ジオン軍にまつわる話題はいくらでも出てきます。なぜジオン軍は、これほど『ガンダム』ファンの心をわしつかみにするのでしょうか?

●個性的だったジオン軍のモビルスーツ
戦略的な観点から『ガンダム』を見ると、鉱物資源も人的資源も豊富な地球を拠点に置く連邦軍が、物資も人的資源も少ないスペースコロニーを拠点に置くジオン軍を圧倒したという内容です。連邦軍は“GM”という名前の量産型の“ガンダム”と、“ボール”という、作業用ロボットに砲台を取り付けた“特攻兵器”のようなロボットを大量生産して、戦闘空域を完全に制圧しました。

資源の乏しいジオン軍は、個々のモビルスーツの性能アップで対抗しようと、モビルスーツを数々開発して、戦場に投入していきました。ジオン軍のモビルスーツは、“ザク”といった汎用型だけでなくて、肉弾戦用の“グフ”、水陸両用の“ゴック”“ズゴック”や、開発途中で足がない“ジオング”など、どれも個性的です。

各モビルスーツごとにストーリーがあって、各々がリンクしています。例えば“グフ”は、「ザクとは違うのだよザクとは!」と、ザクより性能が高いことをアピールしています。アムロがあれほどてこずった“黒い三連星”のドムの改良型であるリックドムは、その後の宇宙戦において、成長したアムロに12機が3分も持たずに撃滅させられています。

終戦直後に登場した“ゲルググ”は、“ガンダム”と同じ戦艦の主砲並みの火力を引っ提げて登場しましたが、人的資源も乏しかったジオン軍はパイロットが不足して、学徒動員をゲルググに搭乗させたため、フルに性能を発揮できず、戦局を変えるまでにはいたらなかった……などなど、ジオン軍にはネタが尽きないのです。
それに対して、連邦軍のモビルスーツは、5種類しかありません。これだけだと、話を続けることは難しいです。

●個性的なブログを目指せ
“個性”を前面に出したブログ運営を目指したほうが、面白いと思います。ニュース系などの記事数で勝負するようなブログは、アクセスは集まると思います。連邦軍のように、量産型記事を生産しても、人々の記憶に残りにくいです。“ガンダム”のような優等生的な記事だけでは、飽きてしまいます。ザクのような渋い記事。グフのようなドヤ顔記事、ズゴックやゴックのような、局地的でエッジの効いた記事もアリだと思います。結局のところ、ブログも“どれだけ人々の記憶に残るか”に尽きると思います。ブックマークに入れてもらっても、ブクマしたことを忘れられてしまっては意味がありません。

若手のお笑い芸人が番組中に素で失敗して、周りからツッコミを受けると、赤面どころが“目立った!”ことにガッツポーズする様子は、お笑い業界が“いかに目立つか、人々の記憶に残るか”が勝負であることを示しています。ブログでもビジネスでも、同じことです。

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ソーシャルメディアの主役はマイクロインフルエンサーと呼ばれる、個人やその小さな集まりだ。そこには、他人と同じ自分よりも、他人と違う自分、つまり個性をどう周囲にアピールするかが重要になってくる。だから、まず私たち日本人に必要なのは「個」を尊重する精神を育むことだと、ひしひしと感じるのだ。
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「ソーシャルメディア革命」 立入勝義著 ディスカヴァー・トゥエンティワ
http://www.d21.co.jp/modules/shop/product_info.php?products_id=818

最初はどのブログも“ジオン軍”的なブログ運営をしていると思います。メジャーになっていくにつれて、連邦軍化していくブログが増えていきます。多くのリピーターと大量生産した記事をバックグラウンドにしたSEOが上手く回れば、大量のPVを得ることができます。

しかし、果たして今後はどうでしょうか? ソーシャル時代において、没個性化したブログに明日はありません。ソーシャルストリーム上では見向きもされず、ソーシャルストリーム上で幅を利かせるブログに、次第に追い詰められていくでしょう。

ブログ運営は“ジオン軍”的な姿勢を目指すべきです。一年戦争において本当に勝利したのは、人々の記憶に深く刻まれた一晩ネタにして話せる“ジオン軍”であることに、間違いはないのですから。

●今日のわかった
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ジーク、ジオン! ジーク、ジオン! ジーク、ジオン!!



「ギレンの演説【実写版】ギレン・ザビ演説 〜ガルマ国葬〜 生アフレコ 」 『youtube』 
http://www.youtube.com/watch?v=JIS5gLNPClk&feature=player_embedded 

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執筆: この記事はかん吉さんのブログ『わかったブログ』からご寄稿いただきました。

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