相手に話が伝わらないときの“考え方”

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 例えば「こんなにわかりやすく説明しているのに、なんでこの人は理解してくれないんだろう」と思った経験はないだろうか。こんな場面に直面したとき、どう対処すればいいのか。
 フィンランドやエストニアなどの北欧州諸国で外交官を勤めた北川達夫氏が『フィンランド流「伝える力」が身につく本』(中経出版/刊)において、外交官時代の経験談を交えながらグローバル・コミュニケーション術を伝授する。

 「説明が伝わらない」―これはあなたの説明が悪いわけでも、相手が悪いわけでもない。「言葉」と「理解」には限界があるから伝わらないのだ。
 人が「わからない」と言うのは、自分の知識や経験、価値観に存在しない何かに触れたときだ。自分が持っているものを相手が100%共有していることはほぼない。説明しようとしていることの中に、あなただけしか持っていない「知識」「経験」「価値観」があるかも知れないし、あなたの説明を相手は相手の知識や経験に基づいて理解する。だから「わからない」が発生する。
 発信する側には「言葉の限界」があり、受信する側には「理解」の限界があると北川氏は言う。この事実をまずしっかり認識することが、伝える力を持つ上で大事なのだ。

 グローバル化は来年以降もますます進んでいくだろう。特に価値観も経験も全く異なる人とコミュニケーションを行わないといけなくなるかも知れない。そのとき、今以上に“コミュニケーション”の壁が立ちはだかることも想像に容易い。
 そんなときのために、グローバル・コミュニケーションの作法を覚えておくのもいいかも知れない。
(新刊JP編集部/田中規裕)

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