陜西省渭南市臨渭区の農村部で道路工事をしていたところ、仰韶期(紀元前5000年−同3000年)から漢代(前漢:紀元前206年−同8年/後漢:22年−220年)と見られる遺跡が見つかった。直後から、村民が大勢押しかけ、文化財を持ち去った。当局は、文化財の行方を追っている。中国新聞社が報じた。

 文化財保護などを行う臨渭区文物管理所の田大雷所長によると、同管理所は5日、省と市の関連部門から「村人らが道路工事で見つかった文化財を掘り出している」との連絡を受けた。同日午前中に職員が現場に駆けつけたが、多くの村民が鋤(すき)や鍬(くわ)などを持ち、文化財を掘り出していた。職員は「略奪行為」をやめさせた。

 道路工事により、長さ約1キロメートル、幅7−8メートル、深さ5−6メートルの穴が掘られていたが、穴の壁の土には、多くの土器の破片があった。田所長によると、遺跡は仰韶期から漢代の墳墓群とみられ、銅製の剣や鏡も見つかった。警察は、持ち去られた文化財の行方を追っている。

 大量の土器などが確認されたのに、工事関係者がなぜ、大きな穴を掘り続けたかについては、伝えられていない。(編集担当:如月隼人)



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