「メンタルヘルス施策に効果が出ている」と評価している企業が増加していることが、財団法人日本生産性本部のメンタル・ヘルス研究所が発表した「メンタルヘルスの取り組み」に関する企業アンケート調査結果で分かった。上場企業251社から回答を得た。

 メンタルヘルス施策の効果について聞いたところ、「十分に効果が出ている」(1.2%)と「まずまず効果が出ている」(47.4%)をあわせると約半数の企業が施策の効果を認め、前回調査(2008年)の40.2%から増加している。「どちらともいえない」は前回調査から6.6ポイント減少して33.5%となっている。

 施策の効果を裏付けるように、最近3年間における「心の病」が「増加傾向」と回答した企業は前回調査から11.5ポイント減少して44.6%となった。「横ばい」と回答した企業が45.4%(同13.4ポイント増)で「増加傾向」を上回った。「横ばい」が「増加傾向」を上回ったのは過去5回の調査で初めて。

 「心の病」が最も多い年齢層は「30代」(58.2%)で、「40代」(22.3%)、「10〜20代」(13.9%)、「50代以上」(1.2%)に比べて突出している。

 心の健康に問題を抱えた従業員の今後の増減傾向についての予想では、「減少する」と回答した企業は3.6%にとどまった。

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