米大手ファンドのコールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)は、有線放送最大手のUSEN(東京都港区、宇野康秀社長)の子会社で人材サービスのインテリジェンス(東京都千代田区、高橋広敏社長執行役員)の全株式を325億円で取得することで合意した。

 インテリジェンスは1989年設立で、人材紹介、求人情報サービス、派遣・アウトソーシング事業を展開し、業界大手に成長。

 USENが2006年に連結子会社化し、2008年には株式交換で完全子会社化したが、採用市場の冷え込みにより、売上高は2007年度の906億円から、2008年度799億円、2009年度547億円と大きく減少していた。

 親会社のUSENも業績不振に陥り、有線放送事業に経営資源を集中して財務体質の改善を図るため、入札方式で売却先を募っていた。KKRにとっては2006年に日本拠点を開設して以来、第1号の日本企業の買収。

 インテリジェンスの高橋広敏社長執行役員は「今回、KKR に当社の将来ビジョンを共有いただいたことを大変喜ばしく思っています。インテリジェンスのキャリア事業、派遣・アウトソーシング事業、メディア事業はいずれも大きな成長可能性を持っています。世界各国で投資先企業の長期的パートナーとなり、事業成長支援の豊富な経験と実績を有するKKR とパートナーシップを結ぶことにより、一層ダイナミックな事業展開が可能になります。お客様への人材ソリューションサービスを飛躍的に充実させて参ります」とのコメントを出している。

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