東京商工リサーチの調査によると、2010年上半期に希望・早期退職者を募集した上場企業は66社であることが分かった。かつてない規模で雇用調整が行われた前年同期(145社)に比べて大幅に減少したものの、2005年〜2008年の年間社数(57〜68社)に上半期の時点で達しており、依然として厳しい雇用環境が続いている。

 募集人数の合計は、公表している65社合計で1万687人。前年同期(145社合計で1万5347人)に続いて1万人を超えた。1社当たりの人数が多く、募集人数100人以上が31社となっている。

 募集人数が最も多かったのは、プロミスの900人。次いで、ヤマハ発動機800人、メディパルホールディングス750人、近鉄百貨店700人、西松建設600人、CSKホールディングス520人、太平洋セメント500人と続く。

 応募結果を公表した企業のうち応募人数が募集枠を上回った主な企業は、プロミス(募集900人、応募966人)、松屋(募集120人、応募171人)、CSKホールディングス(募集520人、応募545人)、ノーリツ鋼機(募集200人、応募221人)。

 一方、応募人数が募集枠を下回った主な企業は、メディパルホールディングス(募集750人、応募93人)、不二サッシ(募集330人、応募267人)、オートウェーブ(募集130人、応募85人)、ソディック(募集150人、応募106人)、中山製鋼所(募集100人、応募57人)。

 業種別では、百貨店など小売の11社が最多。機械10社、建設7社、電気機器6社、繊維製品、情報・通信、金属製品が各5社と続いた。

 特別退職金などの割増金支出による特別損失額は、公表している49社合計で539億5700万円。特別損失額10億円以上は11社となっている。

 同調査は、会社情報適時開示の「会社情報に関する公開資料」から具体的な内容が確認できたケースを抽出している。各社の人数にはグループ会社分が含まれている場合がある。また、募集人数が不明の場合は応募人数を用いている。

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