海外市場進出支援のみかん箱(東京都港区、桧田渉社長)は、都内で、中小企業向けの中国販路開拓セミナーを開催し、15社のバイヤーやマーケティング担当者が参加した。目まぐるしく変化、成長を遂げる中国のマーケット状況や文化、中国人の思考を踏まえ、日本企業が陥りやすい失敗例を紹介しながら「売れるmade in Japan商品とは何か」をテーマに講演を行った。

 「日本市場が飽和状態にあるなかで、次の一手をどう打つべきか」「中国での販路拡大は成長率や市場規模から見て急務の課題だが、まだ本格的な検討や実施ができていない」といった参加者の声に対して、桧田代表は「インターネットショップや通信販売、TVショッピングなどのメディアを介してのビジネスチャンスもあるが、なかなか成功に繋がるケースが少ない」と指摘。
 
 そして、「現地の展示会などに積極的に参加し、中国市場の勢いや独自のルールなどに直接触れて少しずつでも成功体験を積んでいくことが大きな成功、成長に繋がる」と話した。

 また、中国で試販売と市場調査のための日本製品専門アンテナショップ「Sample lab」を運営するLADEX(東京都中央区)の福家貴CEOは「日本企業は、中国の富裕層に対するビジネスを展開したいと話すケースが多いが、富裕層はほんの一部の投資家や経営者で、日本製品を買いたいときは自家用飛行機で日本に来ている。それよりも大多数の中流層に対して、他では真似できない日本製品、日本ブランドを直接手にとってもらい、商品に対する意見に耳を傾けるビジネスリテラシーが必要」と話し、中国市場への進出に踏み出せないでいる中小企業に対して、同社が運営するアンテナショップの活用を紹介した。

 今後、両社は低コストで無理のない海外進出のサポートと、初期段階から支援サービスを強化していく予定だ。

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