年金コンサルティングのIICパートナーズ(東京都港区、中村義正社長)は、国際財務報告基準(IFRS)における退職給付会計への対応をサポートする体制を整え、「退職給付IFRSプロジェクト」を立ち上げた。

 同社は厚生労働省から年金業務政令指定法人の認可を受けている企業年金専門のコンサルティングファームで、年金資産の運用は行わない中立的な立場から、退職給付債務計算、年金制度設計や年金数理業務、ストックオプション評価などを600社以上の企業に提供している。また、日本企業トップ100社の年金サーベイを毎年実施するなど、情報提供にも力を入れている。

 IFRSと日本の会計基準の差異の取り扱いについては現在も議論が続いているが、日本企業への適用は経営全体に重大な影響を与えることが確実となっている。特に退職給付会計はその影響の大きさから経営層、経理財務および人事担当者の注目を集めており、同社が主催する関連セミナーには毎回100人近くの参加者がある。

 同社が立ち上げた「退職給付IFRSプロジェクト」では、社内の公認会計士、リスク・不確実性の分析を専門とするアクチュアリーらで構成するプロジェクトチームが、IFRSの関係機関による検討状況の把握や調査研究を行い、同社のWebコンテンツ、メールマガジンやセミナーを通じて最新の情報を企業に提供する。また、社内システムエンジニアと連携してシステム対応も進めている。

 浅野年克同社年金コンサルティング部長は「2012年4月時点でIFRSに基づく退職給付債務の再評価が必要となり、積立て不足のバランスシート上への計上が見込まれています。企業財務への影響も大きく、経理財務担当者の関心が高くなっています。企業年金制度やストックオプションなどの見直しが必要な企業の人事担当者もIFRSに関する最新情報を収集しておく必要があります」と話している。

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