新入社員の意識調査で、「管理職になりたい」が過去最高、「理想の年収」は過去最低となったことが分かった。産業能率大学(東京都世田谷区、上野俊一理事長)が、「2010年度新入社員の会社生活調査」を、同大学が開催する「新入社員研修セミナー」の参加企業151社515人の新入社員を対象に実施し、505人(男性360人、女性145人)から有効回答を得た。

 調査によると、今年の新入社員は、将来の進路として「管理職になりたい」という“管理職志向”が44.3%となり、初めて“専門職志向”(44.0%)を上回る結果となった。

 管理職志向の新入社員は、2000年度は27.3%と2割を上回る程度だったが、今年度はその倍に近づいている。

 一方で、35歳時点での「理想の年収」の加重平均は、過去最低となった昨年の731万円をさらに下回り、723万円となった。現実を予想した年収も586万円で過去最低を更新している。

 この設問を始めた2000年度と今年度の理想の年収の回答結果を比較すると、「1000万円以上」が大幅に減少し、「600万円台」が大幅に増えている。

 別の質問では、自分の「給料が下がる可能性も考えられる」が昨年から1.5ポイント増加(19.9%)しており、100年に一度といわれる経済不況が、新人社員の将来像にも影を落としているようだ。

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