UFC復帰後は連続して王座挑戦に失敗したものの、その後は3連勝と復調していたダン・ヘンダーソンが、ついにストライクフォースに登場する

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「ストライクフォース、そして、そのパートナーであるCBSとSHOWTIMEの一員になれて、とても幸せに思う」。大物ファイターとの契約を着々と進めるStrikeforceが、7日(月・現地時間)、ついにダン・ヘンダーソンとの複数契約を交したことを正式に発表した。

かねてから噂にのぼっていたダン・ヘンのストライクフォース参戦が現実のものとなった。PRIDEダブルクラウンとして、2007年9月にUFC復帰後、ライトヘビー級&ミドル級と連続して世界王座に挑戦、その後はTUFシーズン9のコーチと務め、記念すべきUFC100でそのTUFコーチ対決を行なうなど、常にUFCのメインキャストを務めてきたが、戦場をライバルプロモーションに移すことになった。

契約更新がこじれ、ダナ・ホワイトとはメディアを通して感情的なやりとりも見られた。UFC106から、ダン・ヘンがオーナーであるクリンチ・ギアがUFCから締め出された時点で、離脱は決定していたと予想される。

今回の正式発表の際には「ダナとUFCには、自分を売りだしてくれて感謝している。今後も彼らが上手くいくことを祈っているし、彼らも私のストライクフォースでの試合のときには、チャンネルを合わせてほしい」と、立つ鳥跡を濁さず的なコメントを残したダン・ヘン。UFCとしては、PRIDE王者というコアファンの間での知名度を、TUFに投入することで、一般ファン層で引き上げた結果の対抗組織への流出。ビジネスとして、最も避けたい事態だったに違いない。

一方、ダン・ヘン獲得で、さらに選手層が厚くなるストライクフォース。「ワールドクラスのファイターが私との対戦を望んでくることで、世界中のMMAファンを新たに引き入れたい。このような機会を与えてくれたスコット・コーカーには心から感謝している」というダン・ヘンは、今後もUFC時代と同様にライトヘビー級とミドル級、どちらの階級でも戦っていく意向のようだ。

UFCでは手にできなかった世界のベルトをジェイク・シールズ、そしてゲガール・ムサシを相手に果たすことができるか。いきなり王座挑戦が実現してもおかしくないビッグネームが、ストライクフォースのタイトル戦線を如何に掻き回すことになるのか、非常に楽しみだ。