ポルトガル時代から恩師の退団にショックを受けるR・カルバーリョ<br>【photo by B.O.S.】

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 イングランド・サッカー界に衝撃をもたらしたジョゼ・モウリーニョのチェルシー退団。クラブは早くも後任にイスラエル人のアブラム・グラントを指名し、日曜日のマンチェスター・ユナイテッド戦に控えている。

一方、選手たちの動揺はかなり大きいようだ。モウリーニョ退団についてほとんどの選手が口を閉ざす中、DFのリカルド・カルバリョがコメントを発表。英国紙『デイリー・メール』のインタビューに応えたカルバリョは、ポルト時代からの恩師であるモウリーニョの退団について、「言葉を失った」と語っている。

「非常に悲しい出来事だ。僕ら選手はショックを受けているよ。僕にとって、ジョゼ・モウリーニョは間違いなく世界一の監督だった。だから、彼を失ったなんて信じられない。彼がこんな形でチェルシーを去るなんて、想像もしなかった。辞めるのは、彼が望むものをすべて手に入れてからだと思っていた。彼がこんな決断を下すのを見たのは初めてだ。彼にとっても辛い決断だったと思う。チェルシーというクラブを愛していたからね」

 ポルト時代にはモウリーニョの下でチャンピオンズ・リーグ制覇にも貢献したカルバリョ。チェルシーでもその貢献度は変わらず、厚い信頼を得ていたポルトガル代表DFは、自らのキャリアにおけるモウリーニョの存在の大きさを振り返りながらも、今は新監督のグラントをチーム全体で支えるべきだと語っている。

「モウリーニョにはとても感謝している。僕のキャリアを大きく変えてくれた人だ。それは、どの選手にとっても同じだと思う。ジョン・テリーからの電話で、彼の退団を知ったんだ。はじめはまったく信じられなかった。ただ、今はグラントの下で、選手がひとつになるしかない。今後のチェルシーは彼が率いていくんだから。マンU戦は、僕らにとって大きなテストになると思う。とにかく負けないことが重要だ」

 絶大な存在感でスター軍団チェルシーを率い続けたモウリーニョの退団は、チームに大きな動揺をもたらしている。グラントが初めて指揮を取った20日のトレーニングについて、ある選手は「家族の誰かが亡くなったような雰囲気」と表現するなど、その影響は計り知れない。セビージャのファンデ・ラモス監督や、元ユベントス監督のディディエ・デシャンなど、いまだ時期監督候補の名前が報じられている中、チェルシー首脳陣には一刻も早い決断が求められていると言えるだろう。