熟練職人が鋳込むクマよけ鈴人気 市街地で出没相次ぎ注文急増

栃木県鹿沼市の「大森鋳造所」の、熟練の職人が手がけるクマよけの鈴に注文が殺到している。登山者に人気の景勝地を抱える北海道や長野県の店舗だけでなく、大手アウトドア用品店や各地の自治体からも引き合いがある。大森貴弘代表取締役(55)は「市街地でのクマ出没が相次ぐようになった一昨年から注文が急激に増えた」と話す。(共同通信=宮脇奈月子)
金色の鈴の上部から、ひょっこりのぞくクマの顔がかわいらしい。鋳造所のクマよけの鈴「熊に金棒」。凜と澄んだ音色が耳に心地よい。
大森鋳造所は1964年創立。青銅やアルミニウムを中心に、規格の小さい製品を手がけている。渓流釣りが趣味の大森さんが、釣具店でクマよけの鈴を見かけ「うちの技術で良いものを作れないか」と製造に乗り出した。
毎年、クマが盛んに活動する9月ごろから注文が増えるといい2024年は月約2千点だった。だが2025年秋は月約5千点に。「今年の秋はさらに売れ行きが増すのでは」と見込む。
2026年6月には、宇都宮市の中心部にクマが出没。市立小中学校が3日間休校する事態となった。全国的に市街地での出没が増えており、大森さんは「不安が強い分、需要が増えているのではないか」とみる。
従業員約20人が手作業で、年間3万点以上の需要に備える。「人身被害が1件でも減るように」と願いを込め、一つ一つ鋳込んでいく。


