厳しい婚活に向き合う31歳の介護福祉士を変えた…取材を超えて応援した『ザ・ノンフィクション』Dが再確認する「恋の素晴らしさ」
●誠実な人柄も苦戦「どうしてこんなに難しいのか」
フジテレビのドキュメンタリー番組『ザ・ノンフィクション』(毎週日曜14:00〜 ※関東ローカル)で、1日に放送された『結婚したい彼と彼女の場合〜令和の婚活漂流記2026〜 前編」。カリスマ婚活アドバイザー・植草美幸さんの結婚相談所に入会して婚活に奮闘する人々を追った作品で、8日には「後編」が放送される。
毎回、不器用ながら一生懸命婚活に挑む姿が心を打つ同シリーズだが、前編で注目を集めたのは、介護福祉士の男性・久保さん(仮名・31)。取材した八木里美ディレクター(バンエイト)は、彼が婚活を通して大きく変化していく姿を見て、「恋することは大事なんだ」と再確認したという――。

婚活の厳しい現実に直面する久保さん(仮名) (C)フジテレビ
○カリスマ婚活アドバイザーが見せた初めてのシーン
「自分を変えて結婚したい」と強く願い、結婚相談所に入会した久保さん。しかし、会員の中では“最も低いレベル”の年収が壁となり、相手に深く踏み込めないコミュニケーションの課題も見え、婚活は苦戦が続いていた。
最初は複数の人を同時並行で取材していた八木Dだが、久保さんをメインで追うことになった理由の一つは、現代社会を映すような人物像だったこと。「最新の統計では、婚活市場の30代男性の年収のボリュームゾーンは500〜600万円なのですが、久保さんは370万円で日本全体の30代前半のボリュームゾーンに合致するので、彼の婚活というフィルターを通して日本の30代男性の実態が見えてくるのではないかと思いました」と明かす。
ただそれ以上に大きかったのは、誠実な人柄だ。
「テレビの取材を受けるからには、自分にとってメリットがないと意味がないと考えると思うのですが、久保さんは以前の『ザ・ノンフィクション』の婚活の回で、男性たちが努力して変わっていく姿を見て、純粋に“自分もこうなりたい”という気持ちで頑張っていたんです。本当に真面目な方で、こういう人が一生懸命に頑張っているのに、どうして結婚がこんなに難しいのかと、私自身、世の中に対する疑問というものがどんどん大きくなって、取材を超えて彼を応援したいという思いで追っていました」
前編では、植草さんが久保さんを食事に誘い、“決起集会”をするシーンも。これまで取材してきた中で、植草さんがここまで会員に目をかける姿を見たのは初めてだったといい、「やっぱり久保さんの純粋でひたむきなところに、植草さんも何とかしたいという思いだったのだと思います」と推察した。

(左から)植草美幸さん、久保さん (C)フジテレビ
○改めて感じた年収の“壁”
以前のシリーズで登場した、デート経験がない進藤さん(仮名)やバツイチの内田さんも、真面目で誠実な人柄ながら、女性とのコミュニケーションで苦労するという面で課題は共通する。
しかし、久保さんが彼らと違うのは、外的要因の大きさ。潰瘍性大腸炎という難病で、社会人スタートにハンデを負い、そこから這い上がって専門学校で学び直したものの、介護福祉士の仕事に就いたのは29歳。おのずと年収が“壁”になってしまい、「これまでも婚活の取材をしてきましたが、久保さんに伴走する中で、年収というものがここまで厳しく判断されるものなのかと、身に染みて感じました」とショックを受けたという。
●“庶民を知る婚活”の結果は…

デートする小百合さん(仮名) (C)フジテレビ
久保さんと対象的な境遇で婚活に挑んだのが、裕福な家庭で育ったゆえに、相手に対して「育ちの差」を感じてしまう小百合さん(仮名・35)。八木Dは「持って生まれたものなので、彼女は全然悪くありません。だけど、それを変えることは難しいですよね」と感じている。
彼女は“庶民を知る婚活”をテーマに挑んだが、結果として、親子ほど年の差がある年収4億円の会社経営者と成婚退会。「一般的な年収の方と結婚してもうまくいかなかったと思うので、自分と向き合った末の選択だなと思いました」と納得した。
○6倍以上の年収の40歳と運命的な出会い
8日放送の後編の見どころとして挙げるのは、久保さんの運命的な出会い。自分の6倍以上の年収がある外資系企業で働く40歳の女性とデートを重ねる中で、聡明で包容力のある彼女に引かれていく。それは生まれて初めての本気の“恋”だ。
「昔は男性より女性のほうが年収も年齢も立場も低いケースが多かったのに対し、最近は逆転している夫婦が多いそうなんです。そんな今の時代を表す典型的な組み合わせなのですが、その関係がどうなっていくのか。久保さんを応援しながら見てくださっている方は、彼にもっともっと入れ込んでしまうような内容にもなっていると思います」
そして前編の冒頭で植草さんに「髪形を早急に変えましょう」「スーツが合ってないのでおじさんに見える」と容赦なく指南されていた久保さんが、全力でぶつかった恋の喜びや苦しさを経験することで、外面だけでなく内面も大きく変化していく姿が如実に伝わってくる。
「精神的に本当に強くたくましくなっていきます。自分を省みて、“このままじゃダメだ”、“あの人に少しでも近づきたい”という思いで変わろうとするエネルギーを見ると、やっぱり恋することは大事なんだなと思いました。恋愛って面倒だし、コスパやタイパも悪いけど、人を好きになるというのは素晴らしいことなんだということを、感じていただければと思います」

運命的な出会いを感じた女性とデートする久保さん (C)フジテレビ
●八木里美1977年生まれ、東京都出身。学習院大学卒業後、青森朝日放送でニュースキャスター・記者・ディレクターとして取材現場に従事し、テレビ朝日『スーパーJチャンネル』を経て、04年にバンエイト入社。フジテレビ報道局で『スーパーニュース』を担当し、11年からは制作部でドキュメンタリー番組などを制作。『ザ・ノンフィクション』では、「愛はみえる〜全盲夫婦の“たからもの”〜」「わ・す・れ・な・い 明日に向かって〜運命の少年〜」「私、生きてもいいですか 〜心臓移植を待つ夫婦の1000日〜」「わすれない 僕らが歩んだ震災の10年」「泣かないでアコーディオン 〜シングルマザーの大道芸人〜」、そして「婚活漂流記」シリーズなどを担当し、12年にわたって取材した「熱血和尚」シリーズでは、「第36回ATP賞」グランプリ、「2020年日本民間放送連盟賞」テレビ教養番組部門・最優秀賞、「第57回ギャラクシー賞」奨励賞、「ニューヨークフェスティバル2020」ドキュメンタリー宗教/哲学部門・銀賞&国連グローバルコミュニケーション賞・銅賞と、国内外で数々の賞を受賞した。
フジテレビのドキュメンタリー番組『ザ・ノンフィクション』(毎週日曜14:00〜 ※関東ローカル)で、1日に放送された『結婚したい彼と彼女の場合〜令和の婚活漂流記2026〜 前編」。カリスマ婚活アドバイザー・植草美幸さんの結婚相談所に入会して婚活に奮闘する人々を追った作品で、8日には「後編」が放送される。
毎回、不器用ながら一生懸命婚活に挑む姿が心を打つ同シリーズだが、前編で注目を集めたのは、介護福祉士の男性・久保さん(仮名・31)。取材した八木里美ディレクター(バンエイト)は、彼が婚活を通して大きく変化していく姿を見て、「恋することは大事なんだ」と再確認したという――。

○カリスマ婚活アドバイザーが見せた初めてのシーン
「自分を変えて結婚したい」と強く願い、結婚相談所に入会した久保さん。しかし、会員の中では“最も低いレベル”の年収が壁となり、相手に深く踏み込めないコミュニケーションの課題も見え、婚活は苦戦が続いていた。
最初は複数の人を同時並行で取材していた八木Dだが、久保さんをメインで追うことになった理由の一つは、現代社会を映すような人物像だったこと。「最新の統計では、婚活市場の30代男性の年収のボリュームゾーンは500〜600万円なのですが、久保さんは370万円で日本全体の30代前半のボリュームゾーンに合致するので、彼の婚活というフィルターを通して日本の30代男性の実態が見えてくるのではないかと思いました」と明かす。
ただそれ以上に大きかったのは、誠実な人柄だ。
「テレビの取材を受けるからには、自分にとってメリットがないと意味がないと考えると思うのですが、久保さんは以前の『ザ・ノンフィクション』の婚活の回で、男性たちが努力して変わっていく姿を見て、純粋に“自分もこうなりたい”という気持ちで頑張っていたんです。本当に真面目な方で、こういう人が一生懸命に頑張っているのに、どうして結婚がこんなに難しいのかと、私自身、世の中に対する疑問というものがどんどん大きくなって、取材を超えて彼を応援したいという思いで追っていました」
前編では、植草さんが久保さんを食事に誘い、“決起集会”をするシーンも。これまで取材してきた中で、植草さんがここまで会員に目をかける姿を見たのは初めてだったといい、「やっぱり久保さんの純粋でひたむきなところに、植草さんも何とかしたいという思いだったのだと思います」と推察した。

○改めて感じた年収の“壁”
以前のシリーズで登場した、デート経験がない進藤さん(仮名)やバツイチの内田さんも、真面目で誠実な人柄ながら、女性とのコミュニケーションで苦労するという面で課題は共通する。
しかし、久保さんが彼らと違うのは、外的要因の大きさ。潰瘍性大腸炎という難病で、社会人スタートにハンデを負い、そこから這い上がって専門学校で学び直したものの、介護福祉士の仕事に就いたのは29歳。おのずと年収が“壁”になってしまい、「これまでも婚活の取材をしてきましたが、久保さんに伴走する中で、年収というものがここまで厳しく判断されるものなのかと、身に染みて感じました」とショックを受けたという。
●“庶民を知る婚活”の結果は…

久保さんと対象的な境遇で婚活に挑んだのが、裕福な家庭で育ったゆえに、相手に対して「育ちの差」を感じてしまう小百合さん(仮名・35)。八木Dは「持って生まれたものなので、彼女は全然悪くありません。だけど、それを変えることは難しいですよね」と感じている。
彼女は“庶民を知る婚活”をテーマに挑んだが、結果として、親子ほど年の差がある年収4億円の会社経営者と成婚退会。「一般的な年収の方と結婚してもうまくいかなかったと思うので、自分と向き合った末の選択だなと思いました」と納得した。
○6倍以上の年収の40歳と運命的な出会い
8日放送の後編の見どころとして挙げるのは、久保さんの運命的な出会い。自分の6倍以上の年収がある外資系企業で働く40歳の女性とデートを重ねる中で、聡明で包容力のある彼女に引かれていく。それは生まれて初めての本気の“恋”だ。
「昔は男性より女性のほうが年収も年齢も立場も低いケースが多かったのに対し、最近は逆転している夫婦が多いそうなんです。そんな今の時代を表す典型的な組み合わせなのですが、その関係がどうなっていくのか。久保さんを応援しながら見てくださっている方は、彼にもっともっと入れ込んでしまうような内容にもなっていると思います」
そして前編の冒頭で植草さんに「髪形を早急に変えましょう」「スーツが合ってないのでおじさんに見える」と容赦なく指南されていた久保さんが、全力でぶつかった恋の喜びや苦しさを経験することで、外面だけでなく内面も大きく変化していく姿が如実に伝わってくる。
「精神的に本当に強くたくましくなっていきます。自分を省みて、“このままじゃダメだ”、“あの人に少しでも近づきたい”という思いで変わろうとするエネルギーを見ると、やっぱり恋することは大事なんだなと思いました。恋愛って面倒だし、コスパやタイパも悪いけど、人を好きになるというのは素晴らしいことなんだということを、感じていただければと思います」

●八木里美1977年生まれ、東京都出身。学習院大学卒業後、青森朝日放送でニュースキャスター・記者・ディレクターとして取材現場に従事し、テレビ朝日『スーパーJチャンネル』を経て、04年にバンエイト入社。フジテレビ報道局で『スーパーニュース』を担当し、11年からは制作部でドキュメンタリー番組などを制作。『ザ・ノンフィクション』では、「愛はみえる〜全盲夫婦の“たからもの”〜」「わ・す・れ・な・い 明日に向かって〜運命の少年〜」「私、生きてもいいですか 〜心臓移植を待つ夫婦の1000日〜」「わすれない 僕らが歩んだ震災の10年」「泣かないでアコーディオン 〜シングルマザーの大道芸人〜」、そして「婚活漂流記」シリーズなどを担当し、12年にわたって取材した「熱血和尚」シリーズでは、「第36回ATP賞」グランプリ、「2020年日本民間放送連盟賞」テレビ教養番組部門・最優秀賞、「第57回ギャラクシー賞」奨励賞、「ニューヨークフェスティバル2020」ドキュメンタリー宗教/哲学部門・銀賞&国連グローバルコミュニケーション賞・銅賞と、国内外で数々の賞を受賞した。
