仲野太賀(小一郎(豊臣秀長)役)×池松壮亮(藤吉郎(豊臣秀吉)役)×小栗 旬(織田信長役)特別座談――『NHK大河ドラマ・ガイド 豊臣兄弟! 前編』

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仲野太賀×池松壮亮×小栗 旬 特別座談

人々に夢を届ける 兄弟の絆

公私ともに親しい仲野太賀さんと池松壮亮さん、大河ドラマで主演を経験した小栗旬さんにとって、「豊臣兄弟!」での3人の共演は特別な意味があるそうです。ドラマの見どころとともに存分に語り合ってくれました。

『NHK大河ドラマ・ガイド 豊臣兄弟! 前編』より

『NHK大河ドラマ・ガイド 豊臣兄弟! 前編』

スタッフやキャストと話し合いながらの作品づくり

仲野 令和になぜ戦国時代の物語を届けるのか。戦(いくさ)をどう扱うのか。なぜ豊臣秀長が主役なのか、などについて、収録開始前から僕たちと制作陣でコミュニケーションをとってきました。

池松 これまでさまざまな対話を繰り返してきました。ありがたいことに制作陣がそうした時間を積極的に設けてくれました。

小栗 そのやり取りは今も続いているよね。(仲野)太賀と(池松)壮亮君が監督と話し込んでいる姿をよく見かけます。

池松 時間が許される限り対話して、よりよいものを手繰(たぐ)り寄せたいとお互いに思うことができています。

小栗 僕は織田信長役に決まってから太賀に呼び出されました。「ちょっと出てこいや」と。

仲野 噓、噓(笑)! 恐る恐る声を震わせて電話でお誘いしました。僕には大河ドラマの主演というものが未知の世界すぎて、現場でどう居たらいいのか、主演経験がある(小栗)旬さんに取材したかったんです。

小栗 結局は作品によってケースバイケースだと思います。でもスタッフやキャストとコミュニケーションをとりながらやっていきたいという太賀の考えを聞いて、何よりも大切なことだと思ったし、主演として作品を背負っていく覚悟を感じました。

仲野 僕が聞いたことにすべて答えてくれましたよね。「スタッフを信じて堂々と楽しく演じればいい」という旬さんの言葉は、今もずっと心にあります。

小栗 その日は「僕に払わせてください」とお寿司をご馳走ちそうしてくれて、うれしかった(笑)。

仲野 あはは!

池松 僕はその会には都合がつかず出席できませんでしたが、後日太賀から話を聞いて、教えを請う太賀と、託す小栗さんという関係がとても美しいなと思いました。

大河ドラマへの出演は3人ともに10代のときから

仲野 僕が大河ドラマに初めて出演したのは2007年の「風林火山(ふうりんかざん)」(上杉龍若丸・うえすぎたつわかまる 役)でした。当時印象的だったのは、収録現場に漂う独特の匂い。

池松 あぁ、分かる。ほかの時代劇の現場とも違う匂い。

小栗 かつらや髪につけるびんつけ油(整髪料)の匂いかな?

仲野 それだ! 当時は14歳。びんつけ油の匂いと自分の緊張感を思い出します。主演だった内野聖陽(うちのせいよう)さんはどんな気持ちで作品に臨んでいたんだろうと今は思いますが、当時はその背中しか見えていませんでした。まさかその大河ドラマの現場に自分が主演として立つ日が来るとは想像すらできなかったです。

池松 僕も大河ドラマの初出演は14歳のとき。作品は「義経(よしつね)」(2005年)で、源頼朝(みなもとのよりとも)の少年期を演じさせてもらいました。現場に同行してくれた母から「あんたセリフ覚えたとね?」と何度も心配された記憶が残っています。渡哲也(わたりてつや)さんが演じる平清盛(たいらのきよもり)に頼朝が⻝ってかかるシーンがあって、渡さんのおおらかなすごみのあるお芝居が今も脳裏に焼きついています。

小栗 僕の大河初出演は12歳のとき。1995年の「八代将軍吉宗(はちだいしょうぐんよしむね)」(徳川宗翰・とくがわむねもと 役)でした。その翌年の「秀吉(ひでよし)」では石田三成(いしだみつなり)の少年期を演じ、主演の竹中直人(たけなかなおと)さんによくしていただきました。その竹中さんが今回は松永久秀(まつながひさひで)役。竹中さんのクランクインは久秀と信長の2人のシーンから始まりました。面と向かって芝居したのは「秀吉」以来だったので感慨深かったです。

仲野 僕は今回、秀吉役が壮亮君、信長役が旬さんと聞いて、胸がいっぱいになりました。

池松 キャスティングしてくれた制作チームに感謝しかありません。太賀のこの特別なタイミングでの最新のキャリアを日々隣で見ることができる。太賀だけでなく、チーム一人一人の人生の特別な瞬間に立ち会えていることはとても幸せなことです。

仲野 壮亮君とは公私にわたり仲よくしていただいていて、以前からご縁があるとは思っていましたが、もはや逃れられない縁を感じます(笑)。

小栗 先日も休みの日に映画館に行ったら、太賀の真後ろの席に壮亮君がいたんでしょ?

仲野 はい、偶然にも!(笑)

小栗 そんなことがあるのかと、話を聞いて鳥肌が立ったもん。

池松 僕が初めて行った映画館で、けっこう席が埋まっていたのに目の前に。

仲野 いきなり後ろからガシャガシャ頭を触られて、びっくりして振り向いたら帽子にマスク姿の人が笑っていて。最初は誰だか気づかなかったんです。

池松 知らない人に絡まれたと思ったんだよね(笑)。「おい“お兄ちゃん”だぞ」と。

仲野 後ろから僕の口にポップコーンを突っ込んでくれて(笑)。

小栗 今度から映画を見るときは、一緒に行けばいいよ(笑)。

仲野・池松 あはは!

この続きは、発売中の『NHK大河ドラマ・ガイド 豊臣兄弟! 前編』でお楽しみいただけます。

本書は「撮り下ろし座談」をはじめ、豪華出演者インタビュー、あらすじ、登場人物関係図、美術・衣裳特集など内容満載。さらに、ゆかりの地特集、マンガで読む秀長の生涯、しつもん箱など分かりやすい歴史解説ページも充実。劇中写真も多数で、家族みんなで読めるドラマガイドです。

取材=髙橋和子 撮影=宮坂浩見
仲野さん:ヘア&メイク=高橋将氣、スタイリング=石井 大
池松さん:ヘア&メイク=内藤 歩
小栗さん:ヘア&メイク=渋谷謙太郎(SUNVALLEY) スタイリング=三田真一

仲野太賀(なかの・たいが)
1993年生まれ、東京都出身。2006年、俳優デビュー。主な出演作に、ドラマ「コントが始まる」「新宿野戦病院」、映画「ポンチョに夜明けの風はらませて」「母さんがどんなに僕を嫌いでも」「すばらしき世界」「十一人の賊軍」など。NHKでは、連続テレビ小説「虎に翼」など。大河ドラマは「風林火山」「江~姫たちの戦国~」「いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~」などに出演。

池松壮亮(いけまつ・そうすけ)
1990年生まれ、福岡県出身。2003年「ラスト・サムライ」で映画デビュー。近年の主な出演作に、映画「夜空はいつでも最高密度の青色だ」「斬、」「宮本から君へ」「ちょっと思い出しただけ」「シン・仮面ライダー」「白鍵と黒鍵の間に」「ぼくのお日さま」「本心」など。NHKでは、「シリーズ横溝正史短編集」「オリバーな犬、(Gosh!!) このヤロウ」シリーズなど。大河ドラマは「義経」「風林火山」に出演。

小栗 旬(おぐり・しゅん)
1982年生まれ、東京都出身。主な出演作に、ドラマ「信長協奏曲」「CRISIS 公安機動捜査隊特捜班」「日本沈没-希望のひと-」、映画「銀魂」シリーズ、「人間失格 太宰治と3人の女たち」「罪の声」「フロントライン」など。大河ドラマは「義経」「天地人」「西郷どん」、「鎌倉殿の13人」(主演)などに出演。