恵比寿〜広尾界隈に最近オープンしたイイ店4軒。和食やビストロなど、東カレ編集部が注目する店
派手さはないが、良質な飲食店が集うのが、恵比寿と広尾の中間である“エビヒロ”。
ここに「着実にいい店が増えている」と話すデスク・船山にアテンドしてもらった。
ナビゲートするのは……
東京カレンダー編集部デスク・船山壮太
編集部デスク。エビヒロがホームのため、たまに西口で飲むとアウェイ感さえ感じる。常日頃、『大衆喫茶つばき』やワインバー『plate』などに出没。酒場で会うご近所さんも多く、界隈に新店ができた暁にはすぐ酒場のネタに。

エリアのメインとなる通りが「恵比寿ガーデンプレイス」と明治通りの広尾一丁目交差点を結ぶ「新橋通り」。新旧のいい店が点在する
恵比寿と広尾の間。住所でいえば恵比寿1〜3丁目の界隈。恵比寿駅東口から歩くこと7分ほどの閑静な一帯が、エビヒロ(東カレがこの呼び名を広めようとしている)だ。
「恵比寿といえば西口や『恵比寿横丁』のような賑やかなイメージが強いですが、この辺りまで来ると住宅街なので、夜はとても静か。飲食店も西口のようにズラーっとあるわけでなく、点在しています」と在住歴10年の船山。
2023年の恵比寿特集でもこの一帯を取り上げたというが、そこから2年で“間違いなくいい店が増えた”と断言する。
「レストランにワインバー、和食店などと、食好きの間で話題のお店がこのエリアだった、という事象が立て続けにありました。それで、訪れてみると、すでに通っているご近所の方がいて、どこかほんわかした雰囲気もある。
自分も40を過ぎたので、誰かを誘うなら落ち着いたエリアに……とも思いますし、リアルに使えるお店が増えていますね」
ということで、今回は船山が気になっている4軒の新店ホッピングをご提案。大人の余裕を見せたい時、デートでもビジネス会食でも重宝する“エビヒロ”の今をご覧あれ。
【1軒目/18:00 START】美味しく可愛い料理といいワインで、胃がウェイクアップ!
『岡飯』

一軒家で1階はカウンターのみ、2階では火鍋コースが楽しめる
渋谷・のんべい横丁の人気店で腕を磨いた岡本孝志さんが、店を構えたのは駅から遠いこの場所。
それでも彼の料理と人柄を慕って、多くのファンが足を運ぶ『岡飯』だ。

フレンチの経験もある店主の岡本さん
「オープンは一昨年。元々イタリアンだった場所で、今度は中華だ!と近所で話題に(笑)。小ポーションで中華を楽しめるのが新鮮です」と船山。

花椒粉を下に敷いた塩味の「鶏のからあげ」と、奈良漬け、枝豆ペースト、リコッタチーズなどを和えた「奈良ずんだ」¥500
焼売や唐揚げは1個から、「麻婆豆腐」や「エビプリ」なども小皿で軽くつまめ、丁寧に作られる料理はどれもほのぼのと美味しい。
にんにくも極力控えているので素材の味がクリアに際立つ。

マヨネーズ風味のソースをかけた「エビプリ」¥600。

オーストリアのワイナリー、ヴェーニンガーの「バーリー & グレープス」。発酵中のワインにホップを加えた遊び心満載のワイン
オススメのナチュラルワインと共に、夕暮れのひとときを過ごしたい。

【2軒目/19:00】落ち着いた雰囲気で料理も実に豊富!何度も通って味わいたい
『ゆうゆ』

新橋交差点近く、店先の提灯が目印
「毎日通るので、特徴的な名前だと思って調べたら、渋谷の人気酒場の姉妹店でした」というように、こちらは渋谷『うゆう』、恵比寿『魚見茶寮』の最新店『ゆうゆ』。

「お造り 少しずつ盛り合わせ」¥1,550。この日は藁焼きの鰹、しまえび、上品な白身・うめいろの3種
ここでは藁焼きをメインに、魚介や酒場メニューをアラカルトで楽しめる。

藁焼きの火が上がるとともに客の視線を独占
「中華から一転、魚と藁焼きと日本酒で、じっくり楽しみたい。藁焼きの炎で高ぶります(笑)」と船山。

「名物!! 藁焼き鴨ドッグ」¥750。パオの甘み、鴨の旨みを自家製の山椒を利かせた醤油ダレが絶妙に引き立てる
お店オススメの「藁焼き鴨ドッグ」は藁で表面を炙り、ほどよい燻香をまとわせた一品。パオで包む食べ方もユニークだ。

奥行きがありゆったりと寛げるカウンター席
また、「店の仄暗い雰囲気もいいし、個室カウンター、テーブルと席種が豊富なのも大事です」とも。嬉しい新鋭の登場だ。

【3軒目/20:15】なんだか元気をもらえる楽しいビストロで肉と〆!
『TiTi』

窓が大きくとられ、店の賑わいがよくわかる。オープンは15時でワンちゃんも可
バス通りから少し入った路地に佇むグリーンの外装が印象的。

笑顔が似合う渡部シェフ(左)と久木シェフ
こちらの『TiTi』は、渡部紘人さんと久木公貴さんのふたりのシェフが切り盛りするビストロ。
「フレンチの味が気軽に楽しめて、何よりおふたりの朗らかな雰囲気がいい」と船山。

「仔羊ジンギスカン風ロースト」¥4,200
例えば仔羊のローストはオーソドックスな料理だが、仔羊には自家製ジンギスカンソースを合わせる。
ガロニのジャガイモは店で糖化させてから揚げるなど、フランス語で“いたずらっ子”を意味する店名どおり、遊び心が詰まった料理を楽しませてくれる。

ふたりの郷里・北海道の食材を使う料理も多い。北海道産のとうもろこしのピューレの上に豚のリエットを使ったラビオリがのる「とうもろこしのラビオリ」¥2,800
「〆のラヴィオリも絶品!」と、中和洋のコースを締めくくった。

ワイン(グラス¥1,200〜)はフランスを中心に幅広くをそろえる。
自家製リモンチェッロを使った「自家製レモンチェッロサワー」(¥1,100)も人気。夏らしい爽やかな味わい。

【4軒目/22:00】今一度エビヒロを取り上げねば!と思わせてくれた話題店!
『rego』

小窓から中の賑わう様子が垣間見える
看板もなく、ドアが一枚あるだけの『rego』の外観は、ぱっと見では店と気づかないほど控えめ。
それでもガストロノミーのプロや感度の高い人々が噂を聞きつけて足を運ぶ。

「フィロソフィのある生産者のワインを選んでいます」と松井さん
店主の松井 豪さんは、パリでワインバーを営み、帰国後もワイン界で注目を集める人物。故に海外からのゲストも多いというのも頷ける。

左からオーストリア「フォン・デア・フォーゲルヴァイデ」、ドイツ「ツィアアイゼン」、オーストリア「ヴェルリッチ」、繊細でピュアなシャンパーニュなどセレクトも秀逸。ボトル¥10,000〜、グラス¥2,000〜
クラシックからナチュラルまで幅広いワインをとりそろえ、ゲストの嗜好や状態をヒアリングし、その人のための一本を選ぶ。

細長い空間を埋める長いカウンターが印象的。建築家・干田正浩氏が手がけた内装は、どこか温もりを感じさせる
圧巻のカウンターに見えるのは注ぎ手とワインのみ。
究極にミニマルな空間だからこそ、ここで飲む一杯は格別。一日の終わりに相応しい一軒だ。
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