CBS MarketWatchによると、米メディア大手4社が、米インターネット検索エンジン最大手グーグルが買収した米動画投稿・共有サイトのユーチューブに対抗するため、新たな動画ウェブサイトを共同で立ち上げる可能性について再び協議を行なっているもようだ。米経済紙ウォール・ストリート・ジャーナル(電子版)が9日付で伝えた。

  協議の参加者とみられるのは、メディア大手ニューズ・コーポレーション傘下の米フォックス、メディア集団大手米バイアコム、米CBS、米複合企業GE(ゼネラル・エレクトリック)傘下のNBCユニバーサル。このうちの数社は今年初めから協議をすでに開始していたという。

  4社は、ユーチューブの事業基盤が各社の動画コンテンツで支えられており、その多くがニュース番組から引用されたもので、著作権を侵害していると主張。設立を予定している新しい動画ウェブサイトではそれぞれのネットークが保有する動画を配信し、動画広告での収入を得る方針。ウェブを主体としたビデオクリップの放送も行なう意向だ。

  しかし、グーグル側が各社に動画使用料の支払いを提案していることから、協議は行き詰る可能性が高まっている。同紙によると、グーグルはフォックスに対し、向こう3年間で最高1億4000万ドル(約162億8000万円)の支払いを申し出たという。NBCとCBSもユーチューブにおいて複数の動画を配信することで契約を結んでおり、加えてNBCはユーチューブと別の契約の締結に向けて詰めの協議に入っているもようだ。【了】