止まらない洋画文化の衰退 遂に興行全体の4分の1以下のシェアに
1月第4週の動員ランキングは、『機動戦士Gundam GQuuuuuuX -Beginning-』が週末3日間で動員30万6000人、興収5億2800万円をあげて2週連続1位に。入場者特典第2弾の配布が始まったことも追い風となって、土日2日間の興収は初週を大きく上回る成績に。公開から10日間の累計動員は85万6400人、累計興収は14億3300万円。アニメシリーズの劇場先行版としては異例のペースで数字を積み上げているが、近年は『鬼滅の刃』や『進撃の巨人』の先行上映や総集編上映など非劇場オリジナル作品の興行も定着しつつあり、今後こうしたケースは珍しいことではなくなるかもしれない。
参考:ガンダム最新作『ジークアクス』初登場1位 でも、本作の衝撃はまだ届ききっていない?
2位につけたのは、初登場6位、先週は5位と、公開から週を追うごとにランクアップしてる『366日』。週末3日間の動員は18万7000人、興収は2億4200万円。この成績は、公開初週の週末成績を大きく上回るもの。公開から17日間の累計動員は75万人、累計興収は9億7200万円。2週前の本コラムで予測した通りロングヒットのコースに入っていて、今週に入ってからのウィークデイでは1位の『機動戦士Gundam GQuuuuuuX -Beginning-』に肉薄している。
アニメシリーズの先行上映作品『機動戦士Gundam GQuuuuuuX -Beginning-』。TikTokなどのソーシャルメディアによって人気が広がっている『366日』。そんな新しいタイプのヒット作が常態化しつつある一方、1月29日に発表された日本映画製作者連盟(映連)の2024年の映画産業概況では(わかっていたことではあったが)衝撃的な数字が発表された。
2024年の年間興行収入は2069億円で、前年から144億円の減少(前年比93.5%)。しかし、興収の内訳を見ると邦画は前年から77億円増えて興収1558億円(前年比105%)。これは、邦画の歴代最高興収を記録した2016年の1486億円を大きく上回っての最高興収更新となる。つまり、前年からの減少分144億円と邦画の増加分77億円を足した221億円が「消滅」したのは、すべて洋画の興収ということだ。
2024年の洋画は興収511億円(前年比69.8%)。映画興行全体のシェアは昨年の33.1%から大きく減って24.7%と、遂に4分の1を下回ってしまった。今回の映画産業概況に関する報道では、その要因として2023年のハリウッドのダブルストライキによる作品供給不足を挙げているものが多い。確かに、その影響は少なからずあったわけだが、だからといってそれが薄らぐであろう今年や来年、洋画のシェアが大幅に持ち直すことを信じている映画関係者はどれだけいるだろうか?
日本だけでなく北米でも目立つようになった映画館のスケジュールの穴を埋めるための過去作の再上映は、この先も増えることはあっても減ることはないだろう。本コラムで再三書いてきたように、コロナ禍期を挟んで日本の映画マーケットは根本から変質して、コロナ禍期直後のダブルストライキを経てハリウッドのメジャースタジオは決定的に弱体化した。少なくともこの国で、洋画という文化は間違いなく衰退していくだろう。我々洋画文化に育てられた世代にできることがあるとしたら、そのスピードを少しでも遅らせることだけだ。
(文=宇野維正)

