記念撮影のカメラを探す、左から鞘師里保、山田孝之、千原せいじ(撮影・滝沢徹郎)

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<第37回東京国際映画祭オープニングセレモニー>◇28日◇東京宝塚劇場

オープニング作品「十一人の賊軍」(白石和彌監督、11月1日公開)主演の山田孝之(41)は檀上で「私は、ただ逃げるだけの役です…さようなら」と言い、会場を笑わせた。

「十一人の賊軍」は、明治維新の最中の1868年(明元)に勃発した戊辰戦争の際に、新発田藩(現・新潟県新発田市)で起きた奥羽越列藩同盟(旧幕府軍)への裏切りのエピソードを描く。山田は劇中で、女房を寝取られた怒りから新発田藩士を殺害した駕籠屋の政を演じる。とりでを守り抜けば無罪放免の条件で、決死隊として戦場に駆り出された罪人だ。

司会を務めた人気声優の佐倉綾音から、見どころを聞かれると「見どころ?  大役だな」と笑みを浮かべた。その上で「昔が舞台だけれど、やっている行動、考えからは現代においても同じなので、いろいろな方が、自分の考え方から行動しています」と映画の勘所を紹介。「悪いな、悪だなというのはあるんだろうけど、周りの方を少しでも良い状況にしようとして生きている、今に落とし込んで、重ねてみてもらったら響くんじゃないかな?」と、実に分かりやすく、作品を楽しめるポイントを伝えた。

白石和彌監督(49)は「オープニングに選んでいただき、ありがとうございます。撮影は去年8〜11月まで必死で、泥だらけになってやった。キャストの姿を見て、誇らしい。映画の中では、ほこりまみれで格好良いんですけど、今日はきれいな姿を見られた」とあいさつした。

レッドカーペットには仲野太賀(31)鞘師里保(26)佐久本宝(26)千原せいじ(54)一ノ瀬颯(27)野村周平(30)大相撲の元前頭豊山の小柳亮太(31)本山力(55)が登壇した。

山田は、佐倉から「言い残したことは?」と聞かれると「何もないです。映画を見てもらえれば」と口にするなど、ゆるやかなマイペーストークで、最後まで観客、関係者を沸かせた。