「ねないこだれだ」「いやだいやだ」絵本作者のせなけいこさん（92）亡くなる 温かい切り絵で…「ルルちゃんのくつした」など名作多数

絵本「ねないこだれだ」や「いやだいやだの絵本」「おばけのてんぷら」などで知られる、絵本作家のせなけいこさんが、23日午後10時52分、老衰のため神奈川県の自宅で死去した。92歳だった。

せなさんは東京都出身。1969年に、『にんじん』『もじゃ　もじゃ』『いやだ　いやだ』『ねないこ　だれだ』の4冊がセットになった「いやだいやだの絵本」を出版。「おばけのてんぷら」など50年以上にわたって読み継がれ、子ども達そして親たちに愛されてきた。

自身の育児経験を基に、生き生きとした子どもの姿を描き、独自の世界観とストーリーの作品で、多くの世代の子どもたちを惹きつけた。また温かいタッチの切り絵で、ユーモラスなおばけやうさぎなど愛嬌のあるキャラクターを生み出した。「ルルちゃんのくつした」などに登場する女の子は、娘がモデルだという。

葬儀は近親者で行われ、後日、お別れの会を開く予定。喪主を努める長女で、絵本作家の黒田かおるさんは、福音館書店のXを通じて、「20日が34年前に亡くなった父の誕生日だったので、待ちきれないセッカチな父に呼ばれたのかもしれません。または大好きなおばけに本当に会いに行ったのかも知れません。皆様のお陰で母は、ここまで大きな名前になりました。感謝と共に、これからも母の作品を愛していただくと、きっと母は空からニッコリ笑うでしょう。どうもありがとうございました」とのコメントを寄せた。