男子マススタートで初優勝の佐々木翔夢

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◆スピードスケート◇全日本距離別選手権 最終日(27日、長野市エムウェーブ)

 男子マススタートは18歳の佐々木翔夢(明大)が初優勝を飾った。同じ明大の2選手が先行して逃げる展開となったが、焦らず集団で追走し、最終コーナーの出口を抜けて先頭に立った。そのまま逃げ切り「マススタートは得意種目なのでずっと優勝したいと思っていた。今回優勝できてうれしい」と笑顔を見せた。

 昨季までショートトラックにも並行して取り組んできた。ショートトラックで培ったコーナーの技術を生かし、2月のW杯ケベック大会で優勝。「自信がついた。世界でも戦える位置にいる」と手応えをつかんだ。今春に長野・小海高を卒業して明大に進学。環境が変わって迎えた今大会は5000メートルで2位となり、1500メートルは11位と悔しい結果となったが、マススタート優勝で締めくくった。

 レース後は両手を重ねてポーズを作った。その意図を「あれは一応、サメです。サメって常に動き続ける生き物なので、前に進み続けるという意味で」と照れくさそうに明かした。趣味は格闘技観戦で、ボクシングが題材の漫画「シャーク」を愛読。「主人公の愛称がシャーク。なんかかっこいいなと思って」と今季のテーマを“シャーク”と掲げているという。

 26年ミラノ・コルティナダンペッツォ五輪に向けて、着実に成長を続ける18歳。「まだ自分は1500メートルと5000メートルでは日本のトップや世界と少し差がある。そこをもっと成長して、マススタートでは自分が日本のエースになって、日本が強いということを証明していきたい」と力強く語った。