ティモシー・シャラメがボブ・ディランの若き日を演じる映画『名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN』(2025年2月28日公開)(C)2024 Searchlight Pictures.

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 ハリウッドで活躍する俳優ティモシー・シャラメが、20世紀最大の詩人・パフォーマーでありながら、今なお現役ミュージシャンとして舞台に立ち続ける“生きる伝説”ボブ・ディランの若き日を演じる映画『名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN』の公開日が来年(2025年)2月28日に決定。予告映像と場面写真が解禁となった。

【動画】『名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN』予告映像

 アカデミー賞ノミネート監督であり、『ウォーク・ザ・ライン/君につづく道』、『フォードvsフェラーリ』、『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』などのジェームズ・マンゴールドが、主演にティモシー・シャラメを迎えて世界に送り出す最新作。ボブ・ディラン本人も本作の製作に協力しており、シャラメがプロデューサーとしても参加している。

 本作では、1960年代初頭、後世に大きな影響を与えたニューヨークの音楽シーンを舞台に、19歳だったミネソタ出身の一人の無名ミュージシャン、ボブ・ディランが、時代の寵児としてスターダムを駆け上がり、世界的なセンセーションを巻き起こしていく様を描く。

 解禁となった予告映像では、シャラメ演じるボブ・ディランが、故郷のミネソタを後にし、フォーク・ギター1本だけを抱え、ヒッチハイクでニューヨークへ降り立つ姿から映し出される。時は1961年、米ソ冷戦や公民権運動から若者文化の興隆など、社会・文化が大きく変わろうとする激動の時代の中で、何者でもなかった19歳の一人の青年は、さまざまな人々と出会い、魅力的なパフォーマンスと時代の心をつかんだ歌の数々で、一気にスターダムを駆け上がっていく。

 彼の存在は大きく時代を動かし、“フォーク界のプリンス”、“若者の代弁者”として時代の寵児となっていくディランだったが、その栄光の日々の影には、誰もが心を揺さぶられる苦悩が隠されていた…。高まる名声とは裏腹に、自分への周囲の期待と、本来の自分自身との軋轢(あつれき)に葛藤する彼の前に、運命は過酷な試練を与える。1965年7月25日、5日前に発表したばかりの新曲を携え向かった、ニューポート・フォークフェスティバルの舞台。ディランの手にはエレクトリック・ギターが握られていた…。

 主演のティモシー・シャラメは、全身全霊を込めて若き日のディランを完全再現し、そのビジュアルだけでなく、全ての歌唱シーンを自身の声で歌い上げる圧巻のパフォーマンスを劇中で披露。ディラン独特の鼻声も見事に再現しており、予告映像では、ディランの初期の名曲「北国の少女」をはじめ、2004年にローリング・ストーン誌が史上最高の名曲No.1に選出した「ライク・ア・ローリング・ストーン」も披露。映画公開への期待が最高潮に高まる予告編に仕上がっている。

 映像内では、ボイド・ホルブルック演じるジョニー・キャッシュの姿も登場しており、アカデミー賞ノミネートの名優で本作ではピート・シーガー役を演じるエドワード・ノートンや、当時のディランの恋人スージー・ロトロにインスパイアされたシルヴィー役を演じるエル・ファニング、“フォークの女神”ジョーン・バエズ役のモニカ・バルバロ、そして、スクート・マクネイリー、ダン・フォーグラーらも、当時の熱気を再現している。

■ボブ・ディランの輝かしい功績

 60年を超えるキャリアを通し、歴史に残る名曲と伝説を数多く残し、今もなお一人のミュージシャンとして現役でステージに立ち続ける史上最高の存在、ボブ・ディラン。“生きる伝説”として世界に影響を与え続ける彼は、2016年に、その文学的影響力により、ミュージシャンとして初となるノーベル文学賞を受賞したほか、アメリカ文化へ多大な影響をもたらしたとしてピュリツァー賞特別賞を受賞。さらに、フランスの最高勲章であるレジオン・ドヌール勲章、民間人に贈られるアメリカ最高位の勲章となる大統領自由勲章などが贈られている。