映画『TOUCH/タッチ』2025年1月24日公開 (C)2024 RVK Studios

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 モデルとして活躍する一方、2022年に『牛首村』でスクリーンデビューし、ジョン・マクリーン監督の長編映画『Tornado(※原題)』の出演も決まっているKoki,と、アカデミー賞外国語映画賞を受賞した『おくりびと』(2008年)で主演を務めた本木雅弘が、娘と父を演じた映画『TOUCH/タッチ』が、来年(2025年)1月24日に公開される(配給:パルコ ユニバーサル映画)。

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 この映画は、『ザ・ディープ』(2012年)、『エベレスト』(15年)、『ビースト』(22年)などを手がけ、多くの受賞歴を持つアイスランドの監督、バルタザール・コルマウクルによる最新作。今年5月にアイスランド、7月に北米などで公開され、物語の舞台の一つである日本での公開が決定した。

 初期の認知症であることが判明した主人公のクリストファーが、人生でやり残したこと…50年前に愛した大切な人が突然姿を消してしまった謎を解き明かすことを決意。2020年コロナの世界的流行で国境が封鎖され始める中、アイスランドを出発し、ロンドン・日本を旅しながら彼女を探す、時と海を越えた壮大なラブストーリー。

 2020年にアイスランドで発表され、ベストセラーになったオラフ・オラフソンによる小説『Snerting(※原題)』が原作。この物語を手にしたコルマウクル監督は、「世界の国々と異なる人種、2つの時間軸と歴史的な出来事をパンデミックの世界に見事に織り込ませている」と、映画化を熱望。

 撮影は22年の終わりにアイスランド・レイキャビクで始まり、ロンドンでの撮影を経て、23年に東京や広島でロケが敢行された。ロケ撮影は主にアイスランド人と日本人のスタッフで行われ、監督は「両国のスタッフが献身的に協力する姿を見て終始感動させられた」と語っている。

■中村雅俊、柴田理恵も出演

 2020年のクリストファーを演じたのはアイスランドの俳優でシンガーであるエギル・オラフソン、対して若き日のクリストファーはオーディションを経てコルマウクル監督の息子であるパルミ・コルマウクルが演じている。

 そして、クリストファーが学生時代を過ごす1969年のロンドンで出会う最愛の人・ミコ役にKoki,、ミコの父でありクリストファーが働く日本料理店を営む高橋を本木。さらに、2020年の日本でクリストファーが出会い酒を酌み交わすクタラギ役を中村雅俊、ミコを探す中でクリストファーが出会うハシモト役を柴田理恵が演じる。中村は劇中で歌も披露している。

 予告編では、印象的な淡い光の中、映し出されるのは目の前の恋人を愛おしそうに見つめ目線を交す若い頃のクリストファーと日本料理店の店主の娘ミコ。お互い異国の地で出会った若い2人は情熱的に恋に落ち、それぞれの孤独を埋めあうようにお互いの心まで深く触れ合っていったはずだった。しかしある日、ミコは何も言わず、店主の父親とともに彼の前から突然消えてしまう。

 「忘れられない恋を抱えて生きている」という文字通り、現代の老いたクリストファーは、初期の認知症の診断を受け、自分の記憶の中にミコがいるうちに、彼女ともう一度会いたいと、2人が出会った思い出の地ロンドンに旅に出る。そこで当時の同僚からミコの手がかりを得た彼は、さらに彼女が生まれた地・日本へと向かう。なぜ、彼女は消え、どこへ行ってしまったのか?この旅の先にクリストファーが知る真実とは?

 あわせて解禁されたポスターは、2つの時代のクリストファーを映し出している。50年前のミコとの幸せに満ち触れ合うことができた電車の中、しかし今現在その座席には彼女はいない。また2人が触れ合うことができるのだろうか?時を経ても彼女を思い続けるクリストファーの心情が伝わってくるポスターとなっている。

■コルマウクル監督「良いケミストリーが生まれた」

 撮影地・日本での公開に向けてコルマウクル監督は「この映画はアイスランドやアメリカをはじめ、多くの国々で上映され、高い評価をいただいています。本作のテーマ性や素晴らしいキャストの観点からも、この映画が日本のみなさまに受け入れられていただければとてもうれしいです」とメッセージを寄せた。

 撮影当時の事を振り返り「日本の俳優たちとの仕事は、とても素晴らしいものでした。本木雅弘さんはとてもプロフェッショナルな俳優で、演技に対しても細かく、やりたいことについても正確で、一緒に仕事ができてうれしく思いました。Koki,さんも、とてもオープンで温かく、プロフェッショナルで、いつも入念に準備して臨み、私がリードする演出を信頼してくれ、撮影でのプロセスがとても楽しかったです。パルミ(青年時代のクリストファー)と素晴らしい関係を築き、映画に良いケミストリーが生まれました」と語っている。

■Koki,(ミコ役)のコメント

 映画『TOUCH/タッチ』 は私にとって、宝物のような大切な映画です。家族のように温かく、情熱的でプロフェッショナルなチームの皆様と、一緒に撮影をさせていただけたことを心から感謝しています。撮影期間中、数えきれないほど、たくさんの事を学ばせていただき、一人の人間としても、私を成長させてくださり、「物語を伝える」、そして「演じる事」の魅力を、改めて実感する事ができました。

 私が演じたミコは心に深く大きな傷を負っていてそれを隠すように生き、自分の過去を忘れたくて新しい文化に溶け込もうとしていました。ミコの父は娘を守りたい一心で彼女に厳しく、親子の間には徐々に距離が生まれていました。愛に興味と憧れを強く抱いていた彼女は、クリストファーに出会い、やっとありのままの自分を受け入れることができるようになり、彼の前では嘘偽り無い自分でいられる、そんな本当の愛を知ります。ミコの明るい笑顔の裏には傷ついた心があるため、ミステリアスな一面を意識して、強さと裏腹にとても繊細な心のバランスを考えながら役に取り組み演じさせていただきました。

 映画『TOUCH/タッチ』という物語は心に残るような素晴らしいメッセージがたくさん込められている作品だと思います。日本の映画館でも公開することが決定してとてもうれしいです。ぜひ多くの方々に観ていただきたいです。

■本木雅弘(高橋役)のコメント

 素晴らしいスタジオを有したアイスランドでの撮影は貴重な体験でした。役者でもあるバルタザール監督は的確かつ遊び心があり、スタッフからの信頼も絶大です。その中で与えられた役を全うできたのか、正直、自信はありませんが、深く優しい祈りを感じる物語に出会えたことに感謝しています。歴史も人も傷みを抱え、哀しみを糧に希望を育てている、そんな時間の温もりが皆さんに届くと良いなと思っております。