英労働党がハリス氏支援＝「外国の干渉」と共和反発―米大統領選

　【ワシントン時事】１１月５日の米大統領選に向け、英与党・労働党が民主党のハリス副大統領の陣営を支援している。

　７月の英総選挙で大勝したノウハウを伝授しているほか、党のスタッフが米国で戸別訪問を手伝っているとされる。これに共和党のトランプ前大統領の陣営が「外国勢力による干渉だ」と猛反発。大きな騒ぎとなっている。

　騒動の発端は労働党幹部が今月、ビジネス向けＳＮＳのリンクトインに書き込んだ投稿だ。約１００人の党スタッフを米国の激戦州に送り込んだと明らかにした上で、「激戦のノースカロライナ州に行く１０人程度を募集している。（現地での）住居は手配する」などと呼び掛けた。投稿はその後、削除された。

　米国の法律で外国人の政治献金や寄付は禁止されているが、外国人による無報酬のボランティア活動は禁じられていない。スターマー英首相（労働党党首）の側近が９月にハリス陣営の責任者と会い、選挙戦略を指南したとも報じられた。

　しかし、ハリス氏と競り合っているトランプ氏の陣営は、これに激怒している。陣営責任者は２２日の声明で、労働党の支援を「反米勢力による選挙干渉」と非難し、連邦選挙委員会に調査を要求。１８世紀の英国からの独立戦争になぞらえ、「英国人が攻めてきた」とあおり立てた。

　英スカイニューズによると、労働党のマクガバン雇用担当閣外相は取材に「（支援は）普通のこと」と強調した。過去の大統領選でも支援してきた経緯があるという。スターマー氏は９月の訪米時、トランプ氏と会食して関係構築を図っていた。