スポニチ

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 阪神は23日、甲子園球場で秋季練習2日目を行った。伊藤将司投手(28)は、3年ぶりに復帰した金村暁投手コーチ(48)の助言を仰ぎながら来季の完全復活を目指す。投球フォームが固まらなかった今季は4年目で自己ワーストとなる4勝止まり。22年も一時、不調に苦しんだが同コーチの指導で復調して9勝をマークしており、“恩師”の存在を追い風とする。

 秋季練習2日目を終え、クラブハウスに引き揚げる伊藤将の額には大粒の汗がにじんだ。巻き返しを期す来季。今季は途中で離脱した先発ローテーションを死守するべく、フォーム固めを誓った。

 「今シーズンの悪かったところの修正、見直しをして、この秋季キャンプで来年にいい形で(まずは1軍の座を)つかめるような状態でいきたい」

 並々ならぬ思いがある。入団から3年連続で防御率2点台をマークし、2桁勝利も2度達成した左腕。だが、今季は18試合でいずれもキャリア最低の4勝(5敗)、防御率4・62に終わった。「投球フォームに迷いが生じた」ことが要因。命綱だったはずの制球力に苦しんだ反省を生かし、今秋は実戦よりも基礎を固めることを最優先する。

 「(秋季キャンプでは)ブルペンの中でいっぱい投げるのではなく、フォームの改善だったり、バランスよく投げられたら」

 21年から2年間指導を受けた金村投手コーチが復帰。「(22年に)調子が悪い時期があって(金村)暁さんになおしてもらった。そこから調子を戻したことがあった」。指導初日となった前日には対話を交わすなど、心強い存在であることは当時と何ら変わらない。「(自分の)メンタルや性格は暁さんが一番分かってくれている。期待に応えたい」。二人三脚でのV字回復を思い描いた。

 「1軍にいられなかったので、こういう経験も生かして、また一から(フォームを)つくり上げたい」

 2年ぶりのV奪回へ、かつての輝きを取り戻す。(杉原 瑠夏)