スポニチ

写真拡大

 広島・新井貴浩監督(47)が23日、既にドラフト1位指名を公表した明大・宗山塁内野手(21)に初めて言及し「三拍子そろう素晴らしい選手。今年も力で引き(当て)たい」と宣言した。地元広島出身で今ドラフトの目玉とされる競合必至の逸材。楽天と競合の末に常広(青学大)の獲得に成功した昨秋の再現なるか。運命のプロ野球新人選手選択会議(ドラフト会議)はきょう24日、午後4時50分から都内のホテルで開催される。

 きょう24日のドラフト会議に備え、都内のホテルで開いた最終のスカウト会議。3年連続で参加した新井監督は、結果的に12球団で唯一の1位指名公表となった明大・宗山について初めて言及し、実力を高く評価しながらラブコールを送った。

 「今でも十分、攻守走の全てがプロの1軍で通用すると思う。ご縁があったらカープのレギュラーにとどまらず、5年後ぐらいには侍ジャパンに入っているような、素晴らしいポテンシャルを持った選手だと思うね」

 地元広島県三次市出身で、小学6年時に広島東洋カープジュニアでプレーした経歴を持つスター候補。3月に欧州代表との強化試合でプロに交じって侍ジャパンに初選出された際には、井端弘和監督をして「とにかく姿に華があった。一番は守備。何も言うことがない」と言わしめた。

 打撃でも非凡なセンスを持つ。広陵高から進んだ明大では、持ち前のミート力で広角にはじき返し、2年春に打率・429で首位打者を獲得。今秋には史上34人目のリーグ戦通算100安打、通算10本塁打を達成した。そんな逸材だけに複数球団との競合は必至だ。

 「恐らく昨年より競合(球団)が増える。あくまで予想だけど、そう聞いているので、いいご縁が2年連続あることを願いつつ、今日は早く眠りに就きたいと思います。眠れるか分からないけど」

 そう言ってニヤリと笑った指揮官。赤いネクタイを締めて臨んだ昨秋は、楽天と競合した常広の当たりクジを右手で引き当てた。その幸運にあやかってか、今回も「ネクタイ?もちろん赤色。もちろん右手で引きたいと思う」と明言。その一方ではこうも言った。

 「昨年も言いましたけど、私はあまりゲンを担がないので力で。力で引き(当て)たいと思います!」

 どう見てもゲン担ぎに思えるが、そこは愛嬌(あいきょう)というものだ。宣言通り、黄金の右手右腕で世代No・1遊撃手の当たりクジを引き当ててみせるか。運命のドラフト会議、新井監督の強運に期待だ。(江尾 卓也)