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 ドジャースの大谷翔平投手(30)が大リーグ史上初の「50―50(50本塁打、50盗塁)」を達成した際の50号の本塁打球が360万ドル(約5億4720万円)で落札された。米競売会社ゴールディンによれば、手数料込みで439万2000ドル(約6億6758万4000円)は記念球で史上最高額。並み居るスター選手をぶち抜き、25日(日本時間26日)に開幕するヤンキースとのワールドシリーズ(WS)を前にまたも話題をさらった。

 最後はデッドヒートが繰り広げられた。米競売会社ゴールディンに出品された大谷の50号達成球は、締め切り終了直前に新たに入札されると、その度に期限が30分延長されるルール。当初の期限は日本時間23日午前11時だったが、結局約2時間30分後の同日午後1時26分に決着がついた。

 落札額は手数料を含め439万2000ドル(約6億6758万4000円)。98年にカージナルスのマーク・マグワイアが当時のシーズン最多70号を記録した本塁打球の305万ドル(現在のレートで約4億6360万円)を大幅に更新する歴代最高額となった。購入者は身元非公表。同社の創設者兼CEOのケン・ゴールディン氏は「世界中から入札があった。大谷はこの野球ボールで歴史をつくった。この象徴的な収集品の重要性と大谷がスポーツに与えた影響の証」との声明を発表した。

 大谷の50号は9月19日のマーリンズ戦で左翼席に着弾。その直後も“争奪戦”が展開されていた。50号本塁打球をオークションにかけたのはクリス・ベランスキー氏だが、周囲にいたフロリダ州の18歳男性、同州の32歳男性が「ボールを奪い取られた」と提訴。その後、いずれも競売の実施に合意した。オークションには影響がなく、落札者は裁判結果と関係なくボール所有が保証されている。記念球には公式球と証明する大リーグ機構のロブ・マンフレッド・コミッショナーの署名が刻印され、打撃時の薄い黒い跡も付いている。

 25日にドジャースタジアムで開幕するWSを前にグラウンド以外で既に話題の中心となっている大谷について、ライバルも賛辞の言葉を並べた。54本塁打の大谷とWS史上初の「50発対決」が実現するヤンキースの主砲ジャッジ(58本塁打)は練習を行ったヤンキースタジアムで「球界最高の選手。球界の素晴らしいアンバサダー(広告塔)」と絶賛。「彼がダイヤモンドをハッスルして走る姿をワールドシリーズで見せることは、若い選手たちや子供たちのいい規範になる。間違いなく対戦を楽しみにしている」と心待ちにした。

 WSでの両球団の顔合わせは81年以来43年ぶりで、スーパースターである大谷とジャッジの対決は米メディアにとっても一番の関心事。両雄のバットから、さらにドラマチックな一発が生まれる可能性もありそうだ。