「警視庁150年史」とリンクした展開に - 「相棒season23」第2話より
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 23日に放送されたドラマ「相棒season23」(テレビ朝日系)の第2話「警察官A〜逆転殺人!真犯人は二人いる!!」では、先週から引き続き、議員殺害事件と総理暗殺未遂事件に挑む特命係の杉下右京(水谷豊)&亀山薫(寺脇康文)の姿が描かれた。右京と薫の“相棒”ぶりへの賞賛、意外な展開に「え、そっちなの!?」「なんだか胸アツ」といった声があがったほか、“キングメーカー”の異名を持つ幹事長を演じたでんでんの演技が一時トレンドに挙がるなど、話題に事欠かなかった。(以下、第2話のネタバレを含みます)

 「警視庁150年史」には、大警視・川路利良(松田洋治)と内務卿・大久保利通の警視庁を作った理念が描かれていた。右京が綴るのは、「私」ではなく「公」を優先させる心得といった、警察官としての在り方だ。震災と疫病が続き、大久保が暗殺された当時の状況は、不思議と現代にシンクロしていた。

 総理大臣・藤原龍一(柴俊夫)の暗殺未遂事件の現場に残された痕跡から、右京は真犯人が闇バイトを実行犯として使ったものだと推理する。材料を購入した闇バイトの男を追求し、右京の機転から判明した実際の購入者は、角田課長(山西惇)がヤクザの工藤敬(高田賢一)だと証言。だが、連行されてきた工藤は完全黙秘を貫く。

 殺された元・国家公安委員長の芦屋満(並樹史朗)は志を共にした自身の盟友であると、藤原は前回の会見での言葉をひるがえした。薫の妻でジャーナリストの亀山美和子(鈴木砂羽)の追及もあり、それによって世論は動く。内閣情報官の社美彌子(仲間由紀恵)は「いまでしたら解散してもいいかもしれません」と藤原に進言した。

 芦屋の事件と藤原の事件が同じ犯人のしわざだと思えない右京。「杉下さんの捜査、学んでみたいんです」という警察官・高田創(加藤清史郎)とともに芦屋事件の犯行を再現してみた右京らは、道に残されていた血痕は怪我ではなく、吐血だったのではないかと気づき、日高行人(中村歌昇)にたどりつく。彼は、中野無差別殺傷事件で刺された元・警察官で、怪我の後遺症で体を壊していた。だが彼に犯行は難しい。弟を名乗って日高の世話をしていた男が実行犯なのか?

 薫と創は聞き込みの途中で、犯人がどこかで着替えた可能性に気づき、近くのビルの地下室を調べるが、そこに閉じ込められてしまう。ガスが充満し、危機一髪の状態で、薫が右京を絶対的に信頼していることに気づく創。薫の言葉通りに助けに来た右京。「右京さん、圧倒的正義の味方感!」「ヒーローだ!」「薫ちゃんは右京さんの推理を信じる気持ちの強さと体の頑丈さは一級品!」とSNSは大盛り上がり。さらに、「あまり考えずに行動するのが亀山くんですから」「あまり考えずには余計ですよ」という右京と薫のやり取りには「さらっと薫ちゃんをディスる右京さん」というツッコミも入っていた。

 また、特命係の部屋に入って感動している創に「自分ももしあそこに行ったらああなるな、たぶん(笑)」と親近感を覚えるファンが続々と名乗りをあげていた。また、そこから捜査に出る際の、右京を中心に左右に薫と創がつく構図に「カッコいい!」「尊(及川光博)のときみたいだなあ」とSNSでは絶賛の声もあがっていた。

 地下室で薫が見つけたボタンから、犯人が判明した。創の同僚警官・仁科征司(内野謙太)だ。彼はかつての日高の同僚であり、日高の怪我に責任を感じていた。事件の際、芦屋の政治パーティーのせいで警備が手薄になったことで日高がこんな目にあったと、恨んでいたのだ。「私」より「公」を優先する警察官になったからこその、いまの日高の状況だと仁科は理不尽を訴える。だが、日高は死亡。拳銃自殺を図った仁科を、右京は「ふざけるんじゃない! そんなことのために使う道具じゃないだろ!」と強い言葉でいさめた。SNSでは「激高でたー!」「しびれるぅ」「待ってました!」「顔めっちゃ近いなあ」と盛り上がっていた。

 右京と薫は、キングメーカーの利根川(でんでん)と対峙していた。藤原の事件など、すべては利根川が党のため、自分の利益のために仕組んだことだとつめよる特命係。中野無差別殺傷事件の犯人の死刑執行が、政局と党利党略のために使われたことが明らかになったらどうなるかと攻めると、「思いあがるなよ」「大人しく上に従っていればいいんだ」と利根川は逆切れ気味にすごむ。「権力は口で言ってもわからない馬鹿を従わせるためにある。全部の力を使って君らを消すってことだ」と言う利根川に対して、「またちょっと毛色の違ったラスボス登場だなあ」「でんでん迫力〜」などネットには様々な意見が挙がっていた。

 「正義は一つだと思いますよ」「正義だと思っていたものを見失ってしまいそうな瞬間は誰にでもあります。そんなときのために、相棒がいるんじゃありませんか」と薫に語る右京。それは、大久保と川路が未来に託したものなのかもしれない。さらに、刑事課に転属できそうだという創は、自分のほうが右京の相棒にふさわしいと思っていたが間違いだったと薫に謝った。右京はそんな創に「君も、相棒を見つけるべきです。君自身の」と伝えた。

「孤高だった右京さんが!  相棒の必要性を!」「初期の相棒の頃では考えられなかった…」「右京さんからのサシ飲みの誘いで変な声出た」「今回の話のテーマはまさに相棒だなあ」と、感動の声が多く聞かれた。さらに、あまりに現実の政界にシンクロしているため、「脚本家かスタッフに予知能力者いる説」を唱える意見もあった。(文・早川あゆみ)