23日に開幕するAFC U17アジアカップ2025予選に向け、U-16日本代表は17日から現地でのトレーニングを重ねてきた。

 高校1年生と早生まれの高校2年生が軸となるメンバーだが、23名のリストには2人の中学生も含まれている。その1人がCBの熊田佳斗(大宮U15)だ。

 すでに高校生に交じってのプレーも経験しているだけに、U-16代表でも年下であることはトレーニングでも特に感じさせない。

「最初はちょっと緊張もありました。でもすぐに馴染めました。今回、Y3(のユニフォーム)を初めて着られるのもすごく楽しみです」(熊田)

 コメントにまで少し余裕を感じさせつつ、「チームメイトのMF神田泰斗がケガで来られないので、その分までという気持ちでここに来ています」と意欲を語る。

 22日の練習は後方からのビルドアップを意識したメニューが多かったこともあり、熊田は自身の特長をしっかり表現してもいた。CBがボールを持って何をできるかは、初戦となるU-16ネパール代表戦でもひとつのポイントになりそうだ。

「相手は6バック気味になるみたいなので、ボールを握る展開になるとしたらというイメージは持っています。一昨日(20日)の練習試合でも引いてくる相手に長短蹴り分けながらパスも出せました。あとはパススピードとか、どっちの足に付けるかとか、細かいところにもっとこだわっていきたいです」(熊田)

 目標にしている選手として真っ先に名前を挙げるのは「リオンくん」、U-19日本代表DF市原吏音(大宮)だ。「本当にすごい。競り合いも全部勝ってるイメージ」と語る大先輩のプレーには大きな刺激を受けており、多くのことを学び取ってもきた。

 また最近は「お父さんから『こいつは上手いぞ』と紹介された」、日本代表DF高井幸大(川崎F)のプレーも参考にするようになったと言う。

「自分ともリオンくんにも似た縦パスの付け方をしていて、すごく参考になりました。守備は自分がまだ苦手なところもあって、そこでもマネできる部分がありました」(熊田)

 ただ、憧れているだけで終わるつもりもない。

「ふたりに自分が勝っている部分もあると思っている」と語り、「19でロス五輪に出る」という具体的なイメージもあるだけに、まずはこのU-17W杯へ向かう第一歩で、“熊田佳斗”の可能性を大いに示すつもりだ。

(取材・文 川端暁彦)