スポニチ

写真拡大

 俳優の中井貴一(63)が22日深夜放送のTOKYO FM「TOKYO SPEAKEASY」(月〜木曜深夜1・00)に出演。「本当になりたいと思った」とまで思った仲良しの人気タレントを明かした。

 この日は「とんねるず」の木梨憲武と出演。2人は同学年で、劇作家で映画監督の三谷幸喜氏が脚本を務めた映画「竜馬の妻とその夫と愛人」(監督市川準、2002年)で共演。それまでバラエティーでの共演はあったものの、同作で本格的に初共演したことをきっかけに、親交を深めた。

 初共演の映画から20年以上、木梨主演のフジテレビ系ドラマ「春になったら」(今年1月クール)で再び共演。この時は小学校時代からの親友という役どころで、第4話で登場した。

 久しぶりの共演で、木梨に驚いたという中井。「俺ら俳優っていう仕事は限界って言うのを自分で決めないといけない。多くの先輩がセリフが覚えられなくなって苦しんでいる姿を今までずいぶん見てきたし。“先輩、俺の胸に貼ってください、カンペを”って。僕は顔に貼ったこともある、目線の関係で。それっていうのは役者としては今まで普通だったのが(できなくて)傷つくわけよ。心が痛くなるわけ。先輩が心が折れないように芝居をしようって思うわけよ」と回顧。「それがさ、あの現場入って、助監督に“おいおいおい、見えないってカンペ。もうちょっと左だろ”って。“めくるの遅い!”“読めないじゃん!”って。俺は本当に木梨憲武になりたいと思った。俺、木梨憲武になったら生涯現役だよ」と苦笑した。

 木梨によると、すでに4話目だったこともあり、関係性も出来上がっている中でのやり取りだと弁明。「“俺はこれでやるよ!”って言い張ってたから、1話ぐらいから。その態勢ができてたADの人に“それじゃ見えねーだろ!”って。“もっと中井さんの顔に寄せろよ”って」と笑った。

 中井は「だけど、俺は木梨君がすげーなと思うのは、人を自分に寄せ付ける力。全員が木梨憲武のほうに向いていく、スタッフたちが」と感心。「テストで木梨くんが1回上手くいった時に、後ろにいた助監督たちが“なんだよ、回しておけばよかったな、もうねーぞ”って言った。あれ、木梨君にも聞こえるように言ってた。それで木梨くんが“バカやろ―、冗談じゃねーぞ、見てろよ!”って言って、NGを出すんだけど、そういうのもスタッフたちが“ノリさん!”って言いながら吸い付けられてるのね」とした。

 木梨は「“こっちの役者にわかんないように、回しておけ、特に俺のほうは。いついいのが出るか分かんないだから”って、前にも言ってあったから。ど頭ぐらいの読み合わせも“回しておけよ”みたいな」と笑うと、中井は「それは言えないのよ、役者は、普通。それが言えたら本当、一生やる!」と話した。