広がりを見せている首都圏での連続強盗事件、複数の実行犯が捕まる中、ついに“指示役”の男が逮捕されました。

逮捕された、小林雄太(26)容疑者は、「副業あります」などの文言を使ってSNSで闇バイトを募集。約1億円をだまし取ったとみられています

なぜ若者たちは“闇バイト”に手を染めてしまうのでしょうか?

ディップ株式会社が現役高校生250人に対して行った“闇バイト”に関する調査では、東京都の「特殊詐欺加害防止 特設サイト」に掲載されている、「危険な求人募集、闇バイトはどっち?」というクイズで、約8割の高校生が「闇バイト」の募集を指摘できなかったといいます。

MC谷原章介:
今の子たちはネットネイティブな年代じゃないですか?ネット上の怪しいことと怪しくないことの見分けがつきやすいと思っていたのですが、そうではないですのか?

犯罪ジャーナリスト 石原 行雄氏:
そうですね、やはり若者世代、とくに情報弱者・情報強者みたいな言葉がありますから、SNSでずっといいバイトないかなと探して、“自分の力で探し当てた”みたいな感覚になるケースがあるんです。

例題となった闇バイトの募集を見てみると、共通して書かれているのは「やりとりはDM(ダイレクトメール)で」の言葉。実際に高校生にこの問題を見せてみると…。

高校1年生:
「DMで連絡させていただきます」っていうのも、関係者と連絡するときDMっていうのも少し不自然かなって。

DMでのやりとりを不審がる人がいる一方で、こんな答えも。

高校2年生:
「詳細はDMでご連絡させていただきます」っていうのが、ちゃんとしたところかなって思いました。いろいろ詳しく内容を教えてくれるのかなって。

――こういう怪しい求人がXで流れてきたらどうですか?
高校1年生:
怪しいなと思って応募はしないです。

――バイトの求人サイトにこういう求人があがっていたらどうですか?
高校1年生:
信じちゃう…応募しちゃいますね。有名なので、大丈夫かなと思っちゃいます。

警察庁が行った闇バイトをした容疑者2373人への調査によると、SNSからの応募が991人、知人等の紹介が763人と大部分を占める中、「求人サイト」からと答えた人が82人いました。

悪用された求人サイトの中には、現在、再発防止の対策を強化をしているということですが、よく名前を聞く大手求人サイトもあったといいます。

“巧妙な手口”と見抜く“コツ”とは

また、こうした闇バイトから抜け出せない“巧妙な手口”も分かってきました。
東京都・特殊詐欺加害防止の特設サイトを参考に、「闇バイトに引き込む経緯」を並べてみました。

(1)「コールセンターの仕事」など安全そうな仕事内容を明記し、給料も日給1万円など怪しくない工夫をする
(2)秘匿性の高いアプリに誘導
(3)「アルバイトの登録に必要」などと巧妙に個人情報を要求

そして、個人情報を入手すると、態度が急変するといいます。

(4)アルバイトが犯罪行為だと明かす
(5)個人情報をもとに脅す
(6)逃げられないようにし、犯罪行為に加担させる

MC谷原章介:
条件等の書き方も巧妙になってきているようですが、普通のバイトで免許証やマイナンバーなどの個人情報を求められることはないですよね?

犯罪ジャーナリスト 石原 行雄氏:
それが実はアルバイトサイトですとか、何かの登録サイト、例えば掲示板の登録サイトでも、今は学生証ですとか、身分証を画像で撮ってそれを送って登録するというサイトが増えていますから、そういう意味では若者ほど「こういうの前にもやったから普通なのかな」と引っかかりやすい、“穴”をつかれているのかなと。

MC谷原章介:
ではなかなか防ぐのは難しい?

犯罪ジャーナリスト 石原 行雄氏:
そうですね。ただやはり、大きなポイントがひとつ。秘匿性の高いアプリをまず入れてくれということを絶対に言われるんです。それはなぜかというと、犯行当日にすべてそれで指示が来ますから、入っていないと使えない。逆にそれに入れてくれと言われたら、闇バイトだと思って間違いない。

堀池亮介アナウンサー:
もしそのような事件に巻き込まれそうになったら、警察に必ず相談してください。
(「めざまし8」10月23日放送より)