U-20日本女子代表の10番が、なでしこジャパンに上り詰めた。「トップチームに来たなという感じ」。日本女子代表に初招集されたFW松窪真心(ノースカロライナ・カレッジ)は初々しさのなかに覚悟をのぞかせた。

 2大会連続の準優勝に終わったU-20女子ワールドカップの決勝からちょうど1か月。千葉市内の高円宮記念JFA夢フィールドのピッチには日本の10番を背負った松窪の姿があった。松窪は26日の韓国女子代表戦に臨む日本女子代表に初選出。自身の代理人を通じて入ってきた吉報に「びっくりしたが嬉しかった」と喜んだという。

 松窪はマイナビ仙台レディース所属時の2023年6月に女子W杯を戦うなでしこジャパンのトレーニングパートナーに選ばれたが、それ以降はアンダー世代での活躍に留まった。フル代表で日の丸を付ける同年代のMF藤野あおば(マンチェスター・C)、FW浜野まいか(チェルシー)らの存在を多少意識したというが、「U-20女子ワールドカップに出場してから選ばれたら」と自分なりのプランもあったようだ。

「いいタイミングで入れたと思う。U-20女子ワールドカップが終わってから、こうやって招集された。U-20日本女子代表での評価や、それまでの取り組みをしっかりと見てもらえたのが嬉しい」

 緊張したという合流初日を終えた松窪は、トレーニングパートナー時には感じなかった日本女子代表の基準を体感した。「雰囲気が全然違う。オーラがあるし、パススピードも速い。一つの練習のレベルが高い」。待ち望んでいたその状況を楽しんでいるようだった。

 そんな松窪は自分の特徴について「前線からのプレスは自分の持ち味だと思っている。そこから守備のスイッチを入れてボールを奪い、いい攻撃に繋げたい。(攻撃面では)裏に抜け出すときの駆け引きと足元に下りるタイミング、(ボールを受けるときの)角度を意識しているので、そこは見てほしい」と自信をもって話す。

「2大会連続で優勝トロフィーを自分の目の前で逃してしまった」。その悔しさの先に到達したなでしこジャパンでは「ワールドカップとオリンピックを取りたい」と強気の姿勢だ。「爪痕を残すには、一番最初が一番大事だと思う」。韓国戦では「自分の特徴を出せるように頑張りたい」と初出場を目指す。

(取材・文 成田敏彬)