◆米大リーグ ナ・リーグ優勝決定シリーズ第6戦 ドジャース―メッツ(20日、米カリフォルニア州ロサンゼルス=ドジャースタジアム)

 ドジャース・大谷翔平投手(30)が20日(日本時間21日)、4戦先勝のリーグ優勝決定シリーズ第6戦、本拠地・メッツ戦に「1番・DH」で先発出場。この日から登場曲をマイケル・ブーブレの「Feeling Good」に変更して臨み、8回無死一塁の第5打席は7回から登板していたメッツ6番手・千賀滉大投手(31)から四球を選んで好機を広げた。フルカウントからの6球目、低めの96・7マイル(約155・6キロ)直球を見極めた。続く2番・ベッツに左翼フェンス直撃の適時二塁打が生まれ、T・ヘルナンデスの右犠飛で大谷はホームを踏んだ。

 日本時代からしのぎを削ってきた大谷と千賀。大谷が日本ハム、千賀がソフトバンクに所属していた日本時代には通算22打数5安打の打率2割2分7厘、2本塁打で、メジャー移籍後は昨年8月に対戦し、2四球と右越え二塁打の1打数1安打だった。今シリーズ第1戦では初回は二ゴロに倒れたが、2回に右前適時打をマークし、千賀をKOしていた。

 この日のメッツ先発は第2戦で好投を許したインステップからサイド気味で投げてくる変則左腕・マナイアだった。大谷自身も3打数無安打2三振と完璧に封じられたが、再戦となったこの日は1点を追う初回先頭の第1打席で4試合連続安打となる中前打。その後4番・エドマンの2点二塁打で生還するなど逆転の流れを呼び込んだ。

 2回1死一塁での第2打席は空振り三振。4回先頭の第3打席はメッツの守護神・ディアスの前に捕邪飛だったが、3点リードの6回無死一、二塁の第4打席は4番手右腕・スタニクから中前適時打。ポストシーズン(PS)での得点圏はこれで9打数6安打の打率6割6分7厘に。パドレスとの地区シリーズ(4打点)と合わせてPSでは10打点目となった。同一PSでの2ケタ打点は3度(03、04、09年)記録している松井秀喜(ヤンキース)に次いで2人目の快挙となった。

 大谷は第5戦では初回に右前打で出塁したが、その後無死二、三塁から三塁走者としてT・ヘルナンデスの遊ゴロで本塁に突入することなく、ロバーツ監督から「内野が下がっていたし、体が固まってしまったんだと思うけど、言い訳にはならない」と珍しく苦言を呈された。しかし、前日19日(同20日)にはエベル三塁ベースコーチと話し合いの場を持ち、気持ちを整理して第6戦に臨んでいた。

 今シリーズはここまでド軍の3勝2敗。勝てば球団4年ぶりのワールドシリーズ(WS)進出が決まる大事な一戦だ。大谷は第5戦を終えた時点で打率3割3分3厘、チーム最多タイの2本塁打、5打点と貢献度は高く、日本人では13年の上原浩治(Rソックス)以来、野手としては初のリーグ優勝決定シリーズMVPの可能性もある。