上海協力機構が共同声明、西側の貿易措置を保護主義的と批判

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Gibran Naiyyar Peshimam

[イスラマバード 16日 ロイター] - 中国が主導し、ロシアやイラン、インド、パキスタンなどの計10カ国でつくる地域協力組織「上海協力機構(SCO)」は16日、保護主義的な貿易措置を批判する共同声明を発表した。西側諸国は輸入する中国製品への関税を強化しており、中国との対立が激化している。

共同声明はイスラマバードで開かれたSCO首相会議後に発表され、10カ国が署名した。SCO加盟国のイランとロシアが貿易制限に直面しているとして「一方的な制裁」だと非難した。

共同声明は、7人の首相を擁する10カ国が「世界貿易機関(WTO)のルールに反する保護主義的な貿易措置に対抗するため、共に努力を続けることが重要だと考えている」と訴えた。

米国とカナダは、中国から輸入する電気自動車(EV)、アルミニウム、鉄鋼などに対する関税を引き上げ、欧州連合(EU)も追随しようとしている。中国はこの動きを差別的だとし、対立が激化するのに伴って同じような対抗措置を発動している。

SCOは「一方的な制裁の適用」は国際法に反しており、第三国にも影響を及ぼすとも主張した。

イランとロシアはともに西側諸国から制裁を受けており、世界最大級のエネルギー資源を保有している。

加盟国でも中国やインドといった影響力の大きい経済大国がエネルギーを購入し続けている一方、経済規模が両国より小さい国々がイラン、ロシアとの貿易を敬遠している。

埋蔵エネルギーが少ないパキスタンは、隣国のイランからガスや燃料を輸入していない。輸入すれば費用対効果が高いものの、パキスタンは米国から制裁を受けることを恐れてイランと結ぶ天然ガス輸送のパイプラインを活用していない。