ソフトバンク今宮健太、3安打を生んだ日替わりで設定した「決めごと」とは
◆パーソル クライマックスシリーズ パ ファイナルステージ 第1戦 ソフトバンク5―2日本ハム（16日、みずほペイペイドーム）
指揮官が与えた不安除去の約束事がアーチを掛けた。ソフトバンクの今宮健太内野手（33）がクライマックスシリーズ（CS）通算7号となるソロ本塁打を放った。
15日の試合前練習で小久保監督が選手全員の前で訓示をした。「基本、人は将来まだ起こってない不安に対して43％脳を使ってるから、普通にしていれば不安にかられるから、不安に駆られないように自分でプラスになる決めごとを決めなさい」。それぞれに課されたものに対し、今宮は投手との向き合い方で答えることにした。
「伊藤君に関して分が良くなかったので。追い込まれたら負け、というのをひとつ決めごととして」
試合でそれを愚直に取り組んだ結果が3安打だった。本塁打は初球を振り抜き、残り2安打も追い込まれる前に打ったものだった。「短期決戦ならではの感じなんですかね」と効果にうなずいた。
CS通算7本塁打は歴代7位タイ。無類の勝負強さを見せてきたベテランでも「セレモニーがあって、その時からめちゃめちゃ緊張し始めたんでやばかったです」と語るのが短期決戦だ。それだけに決めごとは大きな精神安定剤となっていた。
守備でも川瀬晃とのコンビネーションなど頼もしい姿を見せた。「僕はしっかり塁に出られるように切り替えます」。内野の要が新たな決めごとを携え、新たな一戦に臨む。（鬼塚淳乃介）
