途中出場で左サイドを切り裂いた中村(手前)。この鋭利な仕掛けから同点ゴールが生まれた。(C)SOCCER DIGEST

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 10月15日、北中米ワールドカップ・アジア最終予選の第4戦が行なわれ、日本代表は埼玉スタジアムでオーストラリアと対戦した。
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 5ポイント差で迎えた首位決戦は前半を終えて0−0のスコアレス。後半に入っても日本が主導権を握り続けたが、58分に谷口彰悟が痛恨のクリアミスでまさかのオウンゴールを献上してしまう。それでも76分に途中交代の中村敬斗が左サイドをえぐったところから折り返し、今度はオーストラリアのオウンゴールを誘発して同点に持ち込んだ。

 その後も怒涛の攻勢を仕掛けた日本だったが逆転ゴールを奪うには至らず、試合は1−1でタイムアップ。最終予選における開幕からの連勝は3で止まり、通算3勝1分け0敗で勝点を10に伸ばして首位を維持している。

 米ネットワーク『ESPN』でアジアサッカー通として鳴らすガブリエル・タン記者はさっそくコラムを寄稿。「アジア予選を通して9連勝の38得点無失点。もしも日本が今予選で敗れるのだとすれば、“自滅”しかないと思っていた。実際にこの日は攻撃の効率性に乏しく、手痛いオウンゴールで先制を許す展開。シュートを撃たれることなく喫した初失点だ。嫌な流れで苦境に立たされたが、日本を危機から救ったのはそのずば抜けた選手層だった」と指摘する。
 
 同記者は「堂安律に代わって入った伊東純也は右サイドで縦への鋭い突破を繰り返した。調子の良かった久保建英を交代させたのは疑問だったが、代わって登場した中村敬斗がまた素晴らしいパフォーマンスで、高い強度を誇るオーストラリアの守備を切り崩してみせる。結果的に彼の起用が同点ゴールを生んだのだ」と記し、「ほかにも主将の遠藤航が欠場した穴を田中碧がきっちり埋めた。とにかく選手層が分厚い。日本には流れを一変させられる選手が数多くベンチに控えている」と称えた。

 日本は11月シリーズでインドネシア(15日)、中国(19日)とのアウェー2連戦に臨む。一方のオーストラリアはサウジアラビア、バーレーンが相手だ。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部