スペイン人が「絶対に海外でも売れる」と絶賛した、コンビニでも売っている「日本ならではのスイーツ」

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地方でもインバウンド強化が進む

日本政府観光局(JNTO)が2024年8月21日に発表した7月の訪日外客数は、329万2500人で、コロナ禍前の2019年同月比10.1%増となった。6月に続き単月として過去最高を記録し、好調が続いている。この流れを受けて、訪日外国人に人気の主要観光地だけでなく、全国各地でインバウンド強化をめざしてさまざまな対策がとられているが、オーバーツーリズムの問題があるだけでなく、交通や宿泊、飲食において対応はこれからという地域も多い。

このような状況の中、日本の魅力を海外に伝え、インバウンド観光の質的向上に貢献する取り組みも注目を集めている。

特に、デジタルプラットフォームを活用した情報発信が効果を発揮しており、その代表例として、YouTubeチャンネル「Momoka Japan」を紹介する。

2017年の開設以来、「日本の魅力」を伝えることをミッションに掲げ、現在では91.1万人以上の登録者を抱える人気チャンネルに成長している。コンセプトはシンプルながら効果的だ。街で出会った外国人観光客や日本で暮らす外国人と一緒に日本食を楽しむという内容で、撮影は台本や仕込みを一切使わず、ワンテイクで行われている。このスタイルで行われる自然なやりとりが、視聴者の心を掴んでいるのだ。

動画では、Momokaさんが日本食について丁寧に説明しながら、外国人観光客が料理を味わう様子が映し出される。食事を楽しむ姿はもちろん、日本滞在中の出来事や出会った人とのエピソードなど、幅広いトピックについての会話も含まれている。脚本のない自然な対話によって、外国人観光客の率直な反応や感想が捉えられているのが、このチャンネルの最大の魅力と言える。

この記事では「【大感激】絶品オムライスを食べた外国人の反応Trying Omurice」という動画を紹介する。

この動画の中でMomokaさんのインタビューを受けたのは、スペイン出身のサラさん。来日して5年以上で日本語は堪能だが、「どれだけ勉強しても毎日知らない単語に出会う。日本語難しい」と謙虚。

この日食べるのはオムライスだ。長く日本で暮らすサラさんはもうオムライスを食べたことがあるそうで、初めて食べた時は感動したと話す。Momokaさんは早速、オムライスが食べられる「喫茶YOU」へ案内する。「喫茶YOU」はオムライスがおいしいと有名の人気店で、いつも行列が絶えない。「確かにSNSでよく見かける」「そういえばここのオムライスがガチャポンになってたと思う。オムライスはゲットできなかったけど」と、サラさんもこのお店のうわさは知っていたようで、期待値が上がる。

子どものころは毎年日本旅行を楽しむ。日本で暮らし続けることが夢

行列に並びながら、話題はサラさんの日本との出会いについて。

サラさんは子どものころの夏休みは毎回お母さんと日本旅行に来ていて、それがなんと8年も続いたそう。そしてスペインで大学卒業後、運よく日本政府から奨学金をもらったことで日本の大学院に通うことに。それがきっかけで日本に住み始めたそうだ。

「日本で暮らす中で難しいこともたくさんあるけど、楽しいが勝ってる。だから毎日が楽しい」と話してくれた。たまに家族に会いたいという気持ちもあるが、住むなら日本がいいというサラさん。これからも日本で暮らしていくこと、そして自分のスタイルを大事に生きていくことが夢だという。

しばらく並んで店内に入り、話題はサラさんの好きな日本食について。今いる場所が喫茶店ということもあってか、サラさんは「私は日本のカフェが大好きで、毎週違うお店に行っては新しいものを食べる」と話してくれた。

日本で発展したオムライス

そしてお待ちかねのオムライス。「喫茶YOU」のオムライスは、ケチャップライスの上にふわふわとろとろのオムレツがのっている。揺らすとプリンのようにふるふると揺れるほどやわらか。今回は、チーズ入りのオムライスをバナナジュースと一緒にいただく。

まずはオムレツの端からスプーンを入れて崩し、実食。一口食べた瞬間に笑みがこぼれ、「見た目を裏切らないおいしさ!」「これは人も並ぶはず」「期待を超えた」と納得の味だったようだ。

ライスはケチャップで味付けされている。Momokaさんが「ケチャップライスって海外の人の反応はどうなんだろう」と尋ねると、「確かに。少なくともスペインでは見たことがなかった。トマトソースならわかるけど、ケチャップライスは新しい」「日本ではふつうのことだもんね、ケチャップライス誕生秘話が気になる」とサラさん。

ケチャップライス(チキンライス)は、もともとカレーと同様にイギリスから伝わった「鶏肉のピラウ」で、本来サフランで色付けするところを、トマトで代用したものだといわれている。そして、オムライスの元祖といわれるもののひとつ、銀座の「煉瓦亭」のオムライスは、卵で包んだものでもなく、ケチャップも使われていなかった。そしてこれもやはり、イギリスの「ライスオムレツ」が変化したものだといわれている。チキンライスもオムライスも、イギリスから伝わったものが日本独自に変化していき、おそらく米を主食とする日本だからこそ、今のようなオムライスになったのだろう。

スペインでオムレツといえば、じゃがいもが入った「スパニッシュオムレツ」。オムレツ自体はそれこそ世界各地でいろいろな料理がある。「私は半熟卵はもちろん、生ものも大好物だけど、半熟の卵が苦手な外国人は多いかも。でもこれは日本でしか食べられないから、外国人に食べてほしい」とサラさんは語る。

コーヒーゼリーが食べられるのは日本だけ?

絶品オムライスを堪能した後は、食後のデザートにアップルパイをいただく。スイーツについても、サラさんは「ヨーロッパのスイーツと全然風味が違う。くどくない」とサラさん。

スペインではあまり甘いものを食べなかったが、日本に来てから甘党になったのは、それが理由のようだ。パンケーキもふわふわ食感の日本のスタイルが好きだとか。また、「どこでも手に入る食材でも、日本にしかないスイーツ」としてコーヒーゼリーを挙げた。「あんなにおいしいのに日本にしかない!絶対海外でも売れるのに」と疑問に感じているそう。サラさんのお母さんは日本で初めて食べてからコーヒーゼリーの虜になり、自分で作って食べているそうだ。

気になっていたお店のオムライスを食べて満足のサラさんに、最後にMomokaさんからサプライズプレゼント。冒頭で話していた「喫茶YOU」のオムライスのガチャポンだ。サラさんが喜ぶ姿はもちろん、Momokaさんのおもてなしに反応した視聴者も多く、「最後に欲しかったオムライスのガチャガチャあげるとか最高すぎ」「オムライスも喜んでもらえて、またまたサプライズのガチャポンで喜んでるのを見て、本当こっちまで幸せな感じになりますね」「何だかとっても癒されました」といった温かいコメントにあふれていた。

こんなのありえない!フランス人が日本のコンビニおにぎりを食べてショックを受けたワケ