習近平の巨大な欲望!「中華民族の恥」回復急ぐ中国に焦る米国…

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知らぬ間に「米国のミサイル基地」と化していた日本

日本にとっての「最悪のシナリオ」とは?

政府による巧妙な「ウソ」とは一体…?

国際情勢が混迷を極める「いま」、知っておきたい日米安全保障の「衝撃の裏側」が、『従属の代償 日米軍事一体化の真実』で明らかになる。

※本記事は布施祐仁『従属の代償 日米軍事一体化の真実』から抜粋・編集したものです。

2049年までに世界トップを目指す中国

2023年11月15日、米カリフォルニア州サンフランシスコ郊外でバイデン大統領と中国の習近平国家主席が会談しました。

習主席はバイデン大統領に「中国と米国が交流しないなどということは不可能であり、お互いを変えようとするのは非現実的であり、紛争と対立の結果には誰も耐えることができない。大国間の競争では中国と米国や世界が直面する問題を解決することはできない」と述べて、「相互尊重、平和共存、ウィンウィンの協力」を求めました(中国外交部ウェブサイト)。

そして、「中国には米国を追い越す計画や取って代わろうとする計画はない」と強調しました。

一方で、中国は「中華民族の偉大な復興」を掲げ、建国100周年の2049年までに「総合国力と国際的影響力共にトップレベルの社会主義現代化強国」を実現することを国家目標としています。

米国の懸念を生む「中華民族」プライド

「中華民族」とは、人口の9割超を占める漢民族と中国政府が55あるとしている少数民族の総称です。

中国はかつてアジアの超大国として、周辺国と冊封体制を結ぶなど支配的な地位にありました。しかし、近代に入ると欧米列強や日本の侵略を受け、急速に国力を失っていきます。清国がイギリスの侵略を受けたアヘン戦争の開戦(1840年)から日本の侵略が終わったアジア太平洋戦争の終戦(1945年)までの期間を、中国は「百年国恥」と呼びます。「中華民族の偉大な復興」というスローガンには、百年国恥の時代の失地を回復しようという思いが込められています。

そして、欧米列強や日本の侵略を受けて国が没落していったのは力が弱かったからだ、と中国は考えています。そのため、「中華民族の偉大な復興」には経済力だけでなく強い軍事力も必要不可欠だとし、今世紀中頃までに中国人民解放軍を「世界一流の軍隊」にすると宣言しています。習は2021年7月1日の中国共産党創立100周年祝賀大会での演説で、「強い国には強い軍がなければならず、軍が強くてはじめて国家は安泰となる」と強調しました。

中国は「どこまで発展しても、永遠に覇を唱えることはなく、永遠に拡張をすることはない」(習、2022年10月16日の中国共産党第20回党大会での報告)と繰り返し述べていますが、上記のような中国の「富国強兵」政策(中国は「国家富強・軍隊強化」と呼んでいる)が米国の懸念を生んでいるのは事実です。

「核抑止は米国の最優先課題」

前述のとおり、バイデン政権の国家安全保障戦略は、中国との覇権争いに勝つために経済力、外交力、軍事力、技術力などあらゆる分野で中国に対する優位性を確保し続けるとしています。

軍事力については、次のように記しています。

強力な米軍は、外交を支え、侵略に立ち向かい、紛争を抑止し、力を誇示し、米国民とその経済的利益を守ることによって、米国の重要な国益を増進し守るのに役立つ。競争が激化する中、軍の役割は、競争相手の優位性を制限しつつ、戦争遂行上の優位性を維持・獲得することである。軍隊は、中国に対応するための抑止力を維持・強化するために緊急に行動する。(中略)すなわち、国土を防衛し、米国や同盟国・パートナーに対する攻撃や侵略を抑止する一方、外交や抑止が失敗した場合には、戦争に参戦し勝利する準備を整えることである。

米国政府が中国に対する軍事的優位性を維持する上で、ミサイルとともに最も重視している分野が「核兵器」です。

国家安全保障戦略は「核抑止は依然として米国の最優先課題」と強調し、核兵器と関連インフラの近代化を進めると明記しています。

>>つづく「ロシアと中国「核の脅威」両にらみする米国の悲鳴「史上初」」では、核兵器の数を急速に伸ばしはじめた中国と、それに恐怖する米国の現在が明らかになります。

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