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 日本相撲協会は25日、東京・両国国技館で九州場所(11月10日初日、福岡国際センター)の番付編成会議を開き、若碇(19=伊勢ノ海部屋)、安青錦(20=安治川部屋)、琴手計改め琴栄峰(ことえいほう、21=佐渡ケ嶽部屋)の3人の新十両昇進が決まったと発表した。琴手計改め琴栄峰はこの日、千葉県松戸市の佐渡ケ嶽部屋で会見を行った。

 琴手計が関取昇進を機に「琴栄峰」にしこ名を改めた。「栄」は母校・埼玉栄から取っており「大相撲界に入った時から憧れていて、ずっと入れたいと思っていた」という思い入れの強い文字。「峰」は、4歳上の兄で同部屋の幕内・琴勝峰と同じ字で「兄弟でてっぺんを目指してほしい」という意味が込められている。「かっこいいしこ名だと思います」と感想を述べた。

 現役では英乃海―翔猿、若元春―若隆景に続いて3組目、史上18組目の兄弟同時関取が誕生した。「ずっと自分の目標。兄の存在で今の自分がある」と慕っている。会見の中で、同席した師匠の佐渡ケ嶽親方(元関脇・琴ノ若)にあおられて「早く兄を追い越して焦らせたいと思います」と恥ずかしそうに“兄超え”を宣言する場面もあった。さらに「昔の若乃花関、貴乃花関のように、兄弟で優勝決定戦できるようになりたい」と大きな夢も語った。

 十両の土俵で対戦したい力士は、同学年の十両・伯桜鵬(21=伊勢ケ浜部屋)。中3の全中個人戦準々決勝、白鵬杯個人戦決勝、高2の全国高校選抜大会団体戦2回戦、さらに今年初場所の幕下と過去に計4度対戦して、全て敗れている。「同学年で先に(関取に)上がっているので、関取として対戦したい。早く上がって勝ちたい」と対抗心を燃やした。

 1学年後輩で同時新十両の若碇(19=伊勢ノ海部屋)とともに、埼玉栄高からは通算29、30人目の関取誕生。元大関・貴景勝(28=常盤山部屋)と元関脇・妙義龍(37=境川部屋)という大先輩2人が土俵を去った場所で、新世代の若手が新たに関取の仲間入りを果たした。琴栄峰は「栄出身の歴代の関取はすごい方が多いので、そういう先輩たちに恥じないように自分もしっかり頑張りたい」と決意を込めた。

 ◇琴栄峰 太希(ことえいほう・たいき)本名=手計太希(てばかり・たいき)。2003年(平15)7月8日生まれ、千葉県柏市出身の21歳。柏市相撲スポーツ少年団で5歳の頃から相撲を始め、小6でわんぱく相撲全国大会8強。さいたま市立大宮西中3年時に全国都道府県中学生大会3位、全中8強、白鵬杯準優勝。埼玉栄高1年時に関東大会無差別級優勝。3年時に全国高校金沢大会優勝。4歳上の兄・琴勝峰のいる佐渡ケ嶽部屋に入門し、2022年初場所で初土俵。翌春場所で序ノ口優勝。翌夏場所で序二段優勝。身長1メートル84、体重131キロ。