円安の動き、ドル円は144円台前半 世界的な景気回復を期待=ロンドン為替概況

 ロンドン市場では、円安の動きが続いている。ドル円は143円台前半での揉み合いから上放れると144円台乗せから高値を144.40台へと伸ばしてきている。クロス円も同様に買われ、ユーロ円は160円台前半から161円台半ばへ、ポンド円は192円台前半から193円台乗せへと高値を伸ばしてきている。昨日は中国人民銀行が利下げや不動産対策、株価対策などの諸施策を発表し、世界的に株高の動きが広がった経緯がある。きょうも人民銀行は1年物金利を引き下げており、中国景気回復への期待が続いた。中国・香港株は続伸した。一方、欧州株は売りが先行と調整の動き。しかし、米株先物とともに下げ渋りの動きがみられている。OECD中間経済見通しでは、今年の世界成長率予想が3.2%と前回5月の3.1%から引き上げられた。また、個別では今年の英国の成長率予想が大幅に上方修正された。インフレ率は高いものの、実質所得の改善により消費が好調な点が指摘された。日本については今年はG7のなかで唯一マイナス成長に下方修正された。第1四半期のマイナス成長が響いたようだ。ドル相場はドル安の動きが一服している。ユーロドルは1.11台後半から1.12手前水準での振幅。ポンドドルは1.34台割れから1.33台後半へと軟化している。

 ドル円は144円台前半での取引。東京午前の142.91近辺を安値に、その後は買いの流れが続いている。特にロンドン時間に入ってからは堅調な動きで、足元では144.40台へと高値を伸ばしてきている。前日に引き続ききょうも中国人民銀が1年物金利を引き下げており、中国景気回復への期待が持続している。また、OECDの中間経済見通しで、今年の世界経済成長率が引き上げられたことも支援材料となったようだ。

 ユーロドルは1.11台後半での取引。東京早朝やロンドン序盤につけた1.1170台から1.12手前水準までのレンジで振幅している。ロンドン時間に入るとややドル買いに押されているが、値幅は限定的。円相場主導の展開となるなかで、ユーロ円は東京朝方の159.87近辺を安値に、足元では161.60付近まで高値を伸ばしている。対ポンドでもユーロ買いが優勢。

 ポンドドルは1.33台後半での取引。ドル高に押されており、東京朝方の1.3430近辺を高値に1.3364近辺まで安値を広げた。ポンド円は円売りの動きを受けて上昇。東京朝方の191.78近辺を安値として足元では193.10付近まで買われた。ユーロポンドでは、ポンドは軟調。0.8332近辺から0.8370近辺へとユーロ買い・ポンド売りが進行している。OECD中間経済見通しでは、今年の英成長予測が大幅に上方修正され、インフレ率はG7のなかで最高水準であることが示された。スターマー政権の投資促進策への期待が後押ししたようだ。

minkabu PRESS編集部 松木秀明