2025年大阪・関西万博の目玉とされる「空飛ぶクルマ」について、客を乗せて飛ばす商用運航を断念する方向で事業者が調整していることが25日、分かった。

 準備が遅れているためで、万博ではデモ飛行にとどまる見通しだ。

 国や大阪府・市などでつくる会議で近く報告される。事業者はANAホールディングス(HD)と日本航空、丸紅、スカイドライブの4グループ。関係者によると、安全性に関する国の認証の取得が遅れ、万博の開幕までに商用運航できる体制が整わないとみられる。

 このうちANAHDは「もともと万博での商用運航が念頭にあったわけではない」とし、開発は順調に進んでいるとの認識を示した。

 空飛ぶクルマは、万博のコンセプトである「未来社会の実験場」を実現する重要プロジェクトで、来場者の移動手段として会場内外をつなぐ飛行が検討されてきた。